キャリアガイダンスVol.429
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※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.429)リクルートサービスを活用した実践事例【進路】 名古屋中学・高校は「敬神愛人」を建学の精神とするキリスト教系の私立男子校。これまで公立進学校に負けない大学進学実績を強みとして、生徒の学力向上に力を入れてきた。昨今の中学入試人気も手伝い、進学実績は上向いている。 一方で「大学入試のためだけの学習指導で良いのか。もっと自立を促し生徒の主体性を育て、進路実績の先にある豊かさを見据えるべきでは」と考えていたというのが、進路指導部長の立石陽一先生。大学入試改革に振り回されることなく、より本質的な進路指導改革を行っていこうとしていた。 「生徒の学問的興味関心を育てることで主体的に進路を選び取らせたい」…そのためには生徒自身が繰り返し考え、振り返りを行い、ステップアップし、進路決定までのストーリーを積み上げなくてはならない。そこで、必要となったのが働きかけのための「ツール」と、教員の「共通認識」である。「本校の生徒は勉強、部活、行事、その他国際交流など校内外さまざまな分野で活躍しています。でもそれが蓄積・共有されずなんとなくバラバラの印象であるのはもったいないと考えていました」というのは、高2進路指導部チーフの竹内 肇先生。そこで生徒が何か活動をした際、PDCA(計画・実行・検証・改善)を考えながら記入できるワークシート(左参照)を作り活用を始めた。記入したワークシートは、スタディサプリのeポートフォリオの「活動メモ」に画像保存。「紙と違い紛失もないし、容易に見返すことができる」と立石先生は言う。 また、キャリア学習全体も見直した。目指したい職業をまず設定させる方法は、生徒によっては自分自身のこととして考えづらいという理由から、もっと今の自分の興味関心を突き詰める学問分野研究に力を入れることにし、1年生から探究学習に着手。運動部の生徒がそのスポーツの歴史を調べたり、興味が同じ分野の生徒がグループワークを行うなど、自由に探究するなかで学問への関心が喚起されつつある。「数学が苦手だから文系ではなく、○○が好きだから文系という前向きな選択が増えてきた」と立石先生。そして、今年度からスタディサプリ進路の『進学事典』を活用。興味をもった分野がどんな学問や学部、大学へつながっていくかを自分自身で調べさせる。 今後は、生徒のさまざまな活動に学校独自の評価基準を設けることで、教員の意識の共通化も図っていきたい考えだ。大学入試を見据えただけの進路指導で良いのか?強制ではなく自立を促したい課題PDCAを意識して活動記録を残しつつ学問について探究する活用 振り返り  学問探究  ポートフォリオ【活用キーワード】1887年創立/普通科/生徒数高校1446人(男子のみ)/進路状況(2019年3月実績)大学進学287人、その他進学7人、浪人119人取材・文/永井ミカPDCAの習慣化とメタ認知で自己認識を深め主体的に進路を選び取る力を育成名古屋中学・高校(愛知・私立)主体性を高めるためにPDCAを習慣化し、学びを蓄積していくこと、またその中でも、振り返りで自分の経験をメタ認知化していくことが重要であることを学校全体で共通認識にするためのプレゼンシート(一部を抜粋)。主体性を育てるためのトレーニング進路指導部長立石陽一先生(左)高2進路指導部チーフ竹内 肇先生(右)右上から時計回りに計画(行事の目標や計画)、実行(行事に取り組んだ結果)、検証(目標に対する達成度)、改善(次にどうやって活かすか)とPDCAサイクルで記入。行事の事前から事後まで1枚のシートに記入し俯瞰することでメタ認知が図れるように工夫した。4月は新学期の目標設定、5月は学力到達度テストの振り返り、定期テストに向けた目標設定、6月は修学旅行事前学習の目標設定など、どこかのタイミングで月に1枚以上記入するように指導している。「イメージとしてはよく運動部で取り入れられている部活ノートに近いもの。日々目標を設定し、振り返りも行い、試合前に見返す部活ノートです」といずれも運動部顧問の立石先生、竹内先生。このシートは担任に提出。担任は現在は独自の視点でチェックしているが、今後評価基準に基づいて確認していくようにする。最後に、「PEACE MAKER」の画像はスタディサプリのeポートフォリオに保存。eポートフォリオは生徒が学校内外のさまざまな活動の振り返りを行うのに欠かせないツールと判断して活用している。主体性育成のためのワークシート「PEACE MAKER」632019 OCT. Vol.429

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