キャリアガイダンスVol.429
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リクルートサービスを活用した実践事例【学習】創立1948年/普通科(男女) 生徒数/956名  進路状況(2019年3月実績) 大学進学:130人、 短大進学:26人 、専門学校進学:109人、 就職:12人、 その他:6人 読谷高校は、特進2クラス、普通6クラスの一学年8クラス。ソフトボール部は全国大会の常連として知られ、美術部とダンス部も全国大会に出場するなど、部活動も盛んな高校だ。 「通塾せずに国公立大学に合格する生徒もいますが、多くの生徒は勉強の仕方がわからず、力を伸ばせていない。しかし、今年度からは『高校生のための学びの基礎診断』がスタートし、来年度からの新大学入試制度では、主体性をもって学ぶ態度まで評価されるようになります。生徒の主体性をいかに呼び起こすか。そのために昨年導入したのがスタディサプリです。『到達度テスト』で生徒の弱点を効率的に見つけ、講義動画による復習で自学の習慣と基礎学力を身に付け、教職員の負担軽減にもなると考えたからです」と進路指導部主任の川端俊一先生。 2018年度の導入は1年生のみ。基礎学力を測る「到達度テスト」を4月と9月に行い、テスト結果が芳しくなかった生徒には講義動画を配信し、PC教室に集めて補習講座を実施。また、生徒それぞれが自分の弱点を把握・改善できるよう、連動課題を配信するなど、基礎学力向上のためのフォローアップを行ってきた。 「連動課題の配信期間中に課題をすべてクリアした生徒には〝連動課題修了証〞を発行してモチベーションアップを図る。視聴時間を競うイベント〝スタディサプリ・チャレンジカップin読高〞を行って成績優秀者に表彰状と景品を出す。クラス別に講義動画視聴時間を集計して発表するなど、導入1年目はさまざまなきっかけづくりに取り組みました」と川端先生。 その結果、4〜8月までに500分以上講義動画を視聴していた生徒の多くが、成績を上げた。100位以上順位が上がったケースも少なくないという。 「一方、改善点も。宿題配信をしてもやらない生徒がいるため、数学では2年目からノートを活用し、途中経過を書き込んで提出としました。イベントや講座への参加は匿名がいいとの声があり、2年目からは〝スタサプネーム〞を採用。すると参加者が増え、現在、私が教えている2年生4クラスを対象にした、〝スタサプ課外講座in読高〞(生物・化学基礎復習講座)には、160人中103人の申し込みがありました。また、課題や宿題はやりたがらない生徒たちも、〝定期考査のテスト範囲とスタサプ講座(宿題ではないよ〜)〞と配信しておくと見ていたりする。生徒心理を考えたきっかけづくりが大切ですね。 小さな達成感でも、それを積み重ねることで主体性は育まれていく。今年度からは、『高校生のための学びの基礎診断』に認定をされたスタディサプリの『学びの活用力診断』を加え、学びのPDCAサイクルを構築していくことが目標です」生徒が主体性をもって学ぶ力を呼び起こし、基礎学力向上につなげたい課題学びのきっかけを増やし、小さな達成感を積み重ね、生徒の主体性を育む活用取材・文/丸山佳子 学び直し  基礎学力の定着  自学習慣  教職員の負担軽減【活用キーワード】スタディサプリ活用法● 「到達度テスト」連動課題修了証発行● 年5回開催の“スタディサプリ・チャレンジカップ in読高”● 生徒たちのサプリ活用法● 学びのPDCAサイクルモデル読谷高校(沖縄・県立)到達度テストの結果を受け、英数国3教科の連動課題を終了した証。サプリの「活動メモ」にも記録し、e-ポートフォリオに残せるようにしている。2019年度からは、生徒が“スタサプネーム”で参加。視聴時間の中間発表後はバトルになるという。5月開催の回の1位は、20日間で730分(12時間10分)! 賞状と副賞のアイスがもらえる。写真右は、応募箱とスタサプネームを書く応募カード。「到達度テスト」と「学びの活用力診断」を実施し、生徒の力を評価。弱点克服のための「連動課題」や講座で基礎学力改善のPDCAサイクル構築へ。スタディサプリを始めてから、すごく勉強が楽しくなりました。好きな数学は先に進み、苦手だった古典は接続詞や助詞がわかるとパズルを解くように面白くなり、英語も単語を分解すると意味がわかるなど、勉強法が身に付いてきました。スタサプノートを作って、ラグビーの試合で遠征するときも勉強しています。この夏休みも1カ月間一人スタサプチャレンジです!(2年7組特進クラス・知花佳祐さん)●以前は現代文の勉強の仕方がわからなかったのですが、サプリの講義動画で中学時代の基礎を振り返り、読み解き方をしっかり学び直したことが、すごく良かった。おかげで読解問題が苦手ではなくなりました。琉球大の海洋自然科学科か農学部を希望しているので、定期テストの前などに生物や科学の講義動画をよく見ます。受験もサプリで乗り切りたいです。(2年7組特進クラス・塩崎美結(みゆ)さん)順位スタサプネーム第1回(5/10~30)視聴時間(分)1野生のスタサプ教徒7302Mana 5823みー2464匿名希望2425はにわサンバ160 「到達度テスト」で生徒の弱点を把握・改善。学びのPDCAサイクル構築へ進路指導部主任理科・生物教諭川端俊一先生4月到達度テスト職員研修・分析会到達度テスト職員研修・分析会9月4月到達度テスト職員研修・分析会9月到達度テスト職員研修・分析会1月学びの活用力診断職員研修・分析会1月学びの活用力診断職員研修・分析会PDCAPDCAPDCA1年次2年次PDCAPDCAPDCAPDCA652019 OCT. Vol.429

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