キャリアガイダンスVol.430
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る状況において生き残る率が高くなります。いわゆる〝障がい〞も多様性の一部であり、人間が線引きをしただけなのです。さらに、頭で考えるだけでなく、生き物ってすごいよねと心で感じることから、学問の面白さや日常に隠れた小さな喜びに目を向け、人生をポジティブに捉えることにつなげていきたいと考えています」んないい』は道徳的ですが、生物という科目を通すことで、そこに学問的にアプローチできます。例えば、生物学的に見ると、多様性のある種の方があらゆ 「誰もが生きやすい社会の実現」。これが、大野智久先生の教育理念であり、最も大切にしていることだ。「誰もが多かれ少なかれ生きづらさを感じている。生きづらさを軽減して生きやすくするためにはマインドセットが重要であり、それを学校教育のなかで行いたい」。そう考える大野先生は、理念に基づく方針として、「他律から自律へ」、「人生を楽しいものに」、「多様性の認識・受容・活用」を掲げる(下図参照)。 「最も大事なのは、適切に人に頼る力です。人は一人では立てません。真の自律とは相互依存なのです。そして、生きづらさの根底にある異質なものを排除するという在り方に対しては、多様性を認識し、違いを受け入れる、違うからこそできることがあるというマインドセットが重要です。『みんな違ってみ生物理念から創る授業教員歴15年目。都立高校3校での勤務を経て2019年4月より現職。アクティブラーニング型授業や課題探究の実践者として各地で講演なども行う。次なる目標は、現任校でも課題探究に取り組み、生徒に「失敗」を経験させること。大野智久先生三田国際学園中学校・高校(東京・私立)仲間と支え合い頼り合う関係を構築し、多様性を認め受容するマインドを育てる生徒の課題・育成したい力取材・文/笹原風花 撮影/吉永智彦※「TPチャート」とは、教員が自らの「教育方法・方針・理念」を可視化して見直し、自分の想いや実践を整理することを目的としたツール。東京大学・栗田佳代子先生が考案。仲間と共に学び合い、自ら考察する授業人は支え合い頼り合って生きていくもの。みんな違うからこそ、できることがある大野先生作成の「授業の手引き」※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.430)授業の理念・方針から授業のルール、授業で挑戦してほしいこと、「生物基礎」という科目で伝えたいこと、学校や授業の価値まで、自身の言葉で言語化し、生徒とも共有している。また、「TPチャート※」を活用し、目指すものや実践を振り返りながら授業改善を進めている。授業に関するコンテンツや講演資料、役に立つリンク集などはホームページでも公開272019 DEC. Vol.430

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