キャリアガイダンスVol.430
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ることもあります。そのために現場のチームとしての師範塾や全員参加の授業研究会があるのです。トップのビジョンと現場チームの両輪がないと組織はうまく回りません。 今までに多くの学校を見てきました。管理職がいくら旗を振っても現場が動かない組織がある一方で、若手が勉強会のチームをつくってもなかなか広がっていかない学校もあります。 私はリーダーとして、「学校の中で何が起きているか知ろう」ということを常に意識しています。今何が大事なのか、目の前の学校で起きている課題をしっかりと把握することです。そのうえで、本校の教育目標である「異質のものに対する理解と寛容の精神」に立ち戻って、そのために何をすべきか考えます。「何かを始めるときに、そもそもどういう目的でやろうとしているのかという原点に帰ることが大事」と、教育委員会時代の上司から学んだことがきっかけとなっています。 また、本校の強みは、チームでの取組を、常に前年より改善して進化させていこうとしているところです。同瞭然になるので授業を見直す絶好のチャンスです。先生方には生徒からの評価をしっかり受けとめて、授業改善に努めるようお願いしています。 ただ、この調査で私自身の見方を変えなければと思ったのが、生徒と私の評価が一致しない先生もいたということです。チョーク&トークの授業や穴埋め問題の授業をしていても、生徒からの評価がかなり高いこともある。その背景には、生徒とその先生の間に信頼関係があることに気づきました。こうした評価を見ると、授業とは、教員が一方的につくるものではなく、やはり生徒との関係性のなかでつくられていくものだと改めて思い知らされました。 どんな先生でも「生徒を成長させたい」「いい授業をしたい」という想いをもっています。わかりにくい授業をしようと思っている先生はいません。でも、努力してもうまくいかないこともある。それを組織のトップである私から一方的に言うだけでは軋轢が生じじことを続けるのではなく、軌道に乗ってきたら次のステップを目指します。現場発で自主的だったチームでの取組を学校組織としての仕組みに昇華させることなど、組織の変化に対する拒否感が少ないのは、本校の教員集団がベテランを中心に「コミュニティ」を形成できているからだと思います。 本校も初めから「コミュニティ」になっていたわけではなく、地道に先生同士が目的を共有して丁寧なコミュニケーションを取ることで築き上げられてきたものだと思います。師範塾でもそうですが、担当の先生が「こういう企画をするので是非師範を務めていただけませんか」とお願いしに行くことで快く引き受けてもらえます。 また、本校は探究学習も評価をい教員が「コミュニティ」になることで持続可能な組織が構築される「チーム」から「コミュニティ」へ丁寧なコミュニケーションが鍵海洋科学科の生徒たちが開発した「鯖醤油味付け缶詰」。2018年11月、高校生が開発した食品としては初めてJAXAにより「宇宙日本食」として認証された。362019 DEC. Vol.430

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