キャリアガイダンスVol.430
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512019 DEC. Vol.430※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.430)ラボレーション・チャレンジ」の3つを設定。これをより具体的にした10項目を判断基準とし、学校のさまざまな取組を見直した(図1・2)。 まず行ったのが、学校による拘束時間を減らし、生徒に時間を預けることだ。伝統的に早朝や休日には課外講座、校外模試などが数多く実施されていたが、生徒が受け身になるものは廃止あるいは軽減に踏み切った。膨大にあった自宅学習の課を通じて教室の中にもある多様性に気づいてほしいという意味も込められている。 第1回の講師は、発展途上国の支援に取り組む30代前半の女性だった。まず、講師が語る解決したい課題に対する熱い思い、悩みながら現在も挑戦し続けている経験談に、生徒は釘付けに。高揚感はそのまま後半のワールドカフェに引き継がれ、当初の予定を大幅に上回る人数が参加し、活発な意見交換が行われた。「生徒はここまで話せるのか」。その様子は、教員の想定を上回るものだったという。 さらに教員を驚かせたのは、「こんなに刺激的な機会を単発で終わらせたくない」と生徒が教員に働きかけ、「グローバル講演会」を企画・運営する生徒チームを立ち上げたことだ。以後、年2〜3回のペースでグローバル講演会が開催されているが、第3回からは生徒チームが講師の人選から依頼交渉、当日の運営、次回に向けた改善まで行っている(Close up)。 「他者との対話を通じた多様な価値観との出合いが大きな刺激となること、そうした機会があれば生徒は自ら伸びていくことを実感。学校を生徒が自由に活動できる環境にすることが必要だと気づきました」(後田先生) このグローバル講演会の手応えから、進路指導部と学年団が連携し、キャリア教育を軸とする学校改革に着手した。目指す生徒像のキーワードとして、「主体性・コ校訓「自立創造」~高い志を抱いて自分の人生を自分の力で切り拓く~の理念のもとに、人間性を豊かにして徳、知、体の調和のとれた社会に有為な逞しい人間の育成を目指し、校是「文武両道」の実践に取り組んでいる。2010年に附属中学校を開校し、長崎県では3校目となる併設型中高一貫教育校となる。卒業生の進路は、国公立大学をはじめとする大学への進学が中心。1911年設立/普通科生徒数828人(男子413人・女子415人)進路状況(2019年3月卒業生)大学230人・専門学校10人就職1人・その他26人長崎県諫早市東小路町1-7 0957-22-12223学年主任高たかひら比良周一先生進路指導主事後うしろだ田康蔵先生生徒会主任砂すながわ川一真先生学校が提供する取組を見直し生徒に時間を預けることからグローバル講演会企画チームのランチミーティングの様子。講演テーマおよび講師の選定、講師への依頼文作成、生徒に向けた広報活動、プログラム考案、当日の講師対応や運営、ワールドカフェのファシリテーター、次回改善のための振り返りなど、すべての行程を教員や外部ファシリテーターに助言を仰ぎながら生徒が行っている。前半の講演の様子。既に成功を収めた人の素晴らしい体験談ではなく、もがき、悩み、失敗しながらも挑戦を続ける姿から刺激をもらうことをねらいとし、さまざまな分野で活躍中の若手を講師として招いている。これまで招いた講師は、途上国の子どもたちの教育支援を行うNGO創業者、人工知能などの科学技術で争いのない世界の実現を目指す認知科学者、世界中の孤児院やスラムの子どもたちとミュージカルを創る活動を行うNPO代表など。後半のワールドカフェでは、「グローバル社会を生きる力とは」「世界を変える人とは」「なぜ働くのか」など、講演内容に関連したテーマについて、講師も交えて意見を交わす。希望制だが、最近は約80人が参加する。講師を推薦した生徒が気持ちを込めて作成する登壇依頼文。その内容に感動し、予定をキャンセルして駆けつけた講師もいるという。Close upグローバル講演会
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