キャリアガイダンスVol.430
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一般に大学の教員は、研究にしても教育にしても独立志向、個人志向が強いと言われます。それ自体を否定するものではありませんが、組織として基本的な部分の意識の共有は図らないといけません。大学としての強みや課題、社会ニーズを共有し、気持ちを一つにすることで、少々の困難は克服できると考えているからです。 その点、教授者中心の画一的な教育に対する反発から生じた大正自由教育運動の流れをくむ本学には、学生の個性や自主性を重視する、現代の教育改革にも通じる教育に取り組んできた歴史があります。そうした思想的基盤があるからこそ、教職員には、「自分で考える人間を育てる」というきます。というのも、外国の大学関係者や学生同士の議論に耳を傾けていると、高齢化や地域格差、環境など、よく似た課題がテーマにあがります。問題の本質はどこも同じであり、日本はそうした課題の先進国とも言われます。これまでも本学では休耕地活用プロジェクトや高麗川プロジェクトなど地域連携に取り組んできました。地域に根差した大学だからこそできることは多いはず。地域の中で日本人学生と外国人留学生が共に学び、ローカルとグローバルをつなぐ学びを推進していきたいと思います。 人は逃げ場のない環境に身を置いたとき飛躍的に成長します。幸い本学には、まじめに物事に取り組もうとする学生が大勢います。私も、海外研修やインターンシップなど、苦労するなかで多くの刺激を受け、そこで得たことを糧に社会で活躍する卒業生の姿を何度となく目にしてきました。そうした機会を数多く提供するのが大学であり、それを見守るのが教職員です。環境さえ整えば、学生は黙っていても成長していきますし、自分で考える学生も増えていきます。すると当然、教育内容にも不満が出てくるわけで、それが大学改革の動きを加速させる。そんな好循環を期待しています。【学長プロフィール】しらはた・あきら●東京大学薬学部卒業。同大学院薬学系研究科博士課程修了。薬学博士。財団法人東京生化学研究所研究員、ペンシルバニア州立大学研究員などを経て2001年城西大学薬学部教授。同学部長、副学長などを経て、16年9月より現職。専門は分析化学、生化学、細胞生物学。【大学プロフィール】1965年創立。経済学部(経済学科)、現代政策学部(社会経済システム学科)、経営学部(マネジメント総合学科)、理学部(数学科、化学科)、薬学部(薬学科、薬科学科、医療栄養学科)に加え、大学院と城西短期大学を併設。自分で考える人間を育てる。そのための環境整備として地域連携や海外交流を推進強い想いがあります。その方向で意識の共有化を図りたいと考えています。 個人的な経験から言っても、将来を左右するのは、学生時代の成績よりも環境です。多くの人と接するなかで刺激を受け、「自分もやれるはず」「やってみよう」という気になれるかどうか。だからこそ学生をその気にさせるような教育的な基盤を整えていきたいと思います。例えば2022年完成予定の坂戸キャンパス23号館は、理学部や経済学部の学生が共に学ぶ複合棟にする計画です。異なる専門を学ぶ学生が集うことで、文理融合や学際的な学びを進めていくつもりです。 また、地域と連携しながらグローバルな人材を育てる学びも展開してい̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/高山尚樹城西大学学長白幡 晶552019 DEC. Vol.430
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