キャリアガイダンスVol.430
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ことねさん。「みりょくゆうびん局」というユニークな部活動に所属し、放課後になると地域にどんどん飛び出して活動しています。例えばI・Uターンして島で働く大人をインタビュー。計100人以上のはたらきかたを掲載した『島の仕事図鑑』シリーズを発行しています。 私が初めて大崎海星高校を訪れたのは去年の夏休み。全国の教育関係者と大崎海星高校の先生方30名ほどで、新しい教育について語る二泊三日の合宿「SCHネットワークシンポジウム西日本」が行われたときのことでした。 私を島に招待してくれたのは、魅力化コーディネーターの取とりかま釜宏行さん。この島の出身者で、大崎海星高校を廃校の危機から救うため都会での武者修行の成果を存分に発揮。当時の校長は、「ハシゴは だからこそ全国高校生マイプロジェクトアワードは、「協働性」を審査基準に位置づけています。●多様な人たちと対話し、協力しながら取り組んできたか●独りよがりでなく周囲に好影響を与え、価値を創りだしてきたか いずれも、これからの時代に求められる資質です。 瀬戸内海にも「地域みらい留学」の人気校があります。広島県立大崎海星高校は学年1クラス、全校生徒は100名ほどの小さな高校ですが、そのうち2割が全国各地から集まっています。 大阪から進学したのは、高校3年生の 「地域みらい留学」という進路を知っていますか? 親元を離れ寮などで暮らしながら、地方の高校で学ぶ仕組みです。海士町の「島留学」から始まり、今では全国55の高校へと拡がりました。 神奈川県出身のげんたくんの場合、島根県立津和野高校を選択。津和野に広がる放置竹林に注目した彼は、行政や地域を巻き込んで竹についてのプロジェクトを実行しました。 その実績が評価され、この春なんと東京大学の推薦入試に合格。都会で埋もれるよりも、地域と協働しながら学ぶことで可能性が芽吹く。その仮説は、今まさに証明されつつあります。認定NPO法人カタリバパートナー今村 亮1982年熊本市生まれ。東京都立大学卒。創業期からのディレクターとして、カタリ場事業、カタリバ大学、中高生の秘密基地b-lab、コラボ・スクールましき夢創塾、全国高校生マイプロジェクト事務局を手がける。文部科学省熟議協働員、岐阜県教育ビジョン検討委員会委員を歴任。2019年に独立し、桜美林大学で「ディスカバ!」立ち上げ中。慶應義塾大学にて非常勤講師を兼務。共著『本気の教育改革論』(学事出版)。都会から田舎の高校へあえて進学する選択肢教育者の議論に、高校生を混ぜた夏教育についての議論が、教員・高校生混ざりながら進行瀬戸内海の海と集合写真高校生が描いたウェルカムボード広島県立大崎海星高校、魅力化コーディネーターの取釜さんエントリー締切が間近に迫る全国高校生マイプロジェクトアワード。全国13会場+オンライン大会に7000人の高校生が集まる舞台が、今年も開幕します。審査基準「協働性」の評価において、前回大会で大きな存在感を示したのは「地域みらい留学」の高校生たち。その舞台裏に迫る連載最終回です。■SCHネットワークシンポジウム西日本582019 DEC. Vol.430

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