キャリアガイダンスVol.430
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「生徒にこうなってほしい」から創る明日の授業 「探究って面倒くさい。普通に授業してほしい」「総合的な探究の時間は楽しいけど、授業はつまんない…」 これは共に、生徒が語った言葉です。この言葉から生徒のどんな思いを感じとられるでしょうか。教科の授業の姿とはどういうものでしょうか? 平成30年度改訂の新しい学習指導要領が告示されて早1年半以上が経ちました。「資質・能力改訂」と称されているように、教科学習を始めとして、総合的な探究の時間や特別活動に至るまで、生徒たちが20年後、30年後の社会を自立的に生きていくことができるよう「資質・能力の3つの柱」に基づいて教育課程が構造化され、整理されました。目の前の生徒の実態を捉えた各学校の教育目標と自身が担当する教科・科目との位置づけ、そして他教科・科目との関連性など、タテヨコのつながりをカリキュラム・マネジメントの視点で把握しやすくなりました。その交差上に位置するのが、生徒が高校生活の大半の時間を過ごす「授業」。授業という「時間」と「空間」を、生徒とどのように共有されているでしょうか。新しい「単元」を迎えた最初の授業、例えば今取り組んでいる単元では生徒たちに何をメッセージされたでしょうか。 そもそも「単元」とは? 単に学習内容のまとまりではなく、身の回りの生活や社会とのつながりの経験を足場にして、自己と向き合い、他者との対話により深め、学んでいく営みのひとつの単位のようなものかもしれません。 「何を」「どのように学び」そして「何ができるようになるか」─新学習指導要領の本質を今一度振り返りながら、先生方の「授業観」「授業の在り方」を考える機会になればと願っています。学校づくりは、授業づくりから。山下真司(本誌 編集長)62019 DEC. Vol.430

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