キャリアガイダンスVol.430
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1年学年主任(数学科)相馬 誠先生リクルートサービスを活用した実践事例【進路】 八戸高校は、青森県でトップ3に入る進学校。緑豊かな広大な敷地と「八高の森」をもつキャンパスを有し、生徒の90%以上が部活動に参加する文武両道校だ。 「勉強も部活も真面目に取り組む生徒が多いのですが、一方で、『この高校に入ることが目標でした。先のことは考えていない』と答える生徒も少なからずいる。しかしこの先の進路選択は、難関大学に入ることだけが目標では、おそらく最後までがんばれません。内発的な動機がないと文理選択や志望校選択ができず、志望動機も自分の言葉で書けないからです。大切なのは、さまざまな経験を積み、言語活動を充実させて、生徒の志、主体性を育てること。これを2年生までにいかに行うかが、進路指導の課題だと考えています」  現在、1年学年主任として進路指導を行う相馬 誠先生はそう話す。「誰でもそうですが、経験をしていないことは、話せないし、書けません。そこで1年次の最初に自己分析・適職発見プログラムやスタディサプリの『未来事典CAREER』を活用して〝学問・仕事、地域・社会とつながる〞をテーマに、情報を集め、分析し、研究や商品開発を経験させるなどさまざまな仕掛けを考えています。仕事を調べるときも、グループワークなら視野が広がりますし、興味のある仕事を20選んだら、ベスト10以下から調べていく方が、意外な仕事を発見できます。また、情報収集をしたことはワークシート、感想文、壁新聞などで必ず言語化し、自分の中に落とし込んでいく習慣づけが大切です」  また、生徒が書いたワークシートなどは、成績の話をせずに面談をするための格好のツールになると相馬先生は言う。「文理選択をするときは『点数が取れる科目、好きな科目、将来やりたいことの3点が重なる部分で決めるといいよ』程度のアドバイスはしますが、大切なのは、生徒自身がやりたいことに気づくこと。2年生では、これまでの経験や自分の思いを自分の言葉で言語化しながら進路を絞り込むために、まず『適性診断』や『進学事典』を使って自己分析と情報収集。その後は『志望理由・小論文BOOK』や志望理由書ワークシートを活用しながら指導していきます。『これは具体的にどういうこと? あなたの考えは?』と、毎回突っ込んだ面談を繰り返していくと、生徒の考えもまとまっていきます」 志望理由書がしっかり書けるようになった生徒にはAO、推薦入試を進めるなどし、2年生末までにAO、推薦入試から出願するか、一般入試のみで出願するかの方向性を決めておく。「そうすれば3年生からは必要な勉強に専念でき、より深い進路指導も可能になります」と相馬先生。 2018年度は過去最高の18人が現役で医学科に合格。現在の1年生もどんな未来を開いてくれるか、楽しみだと話す。「高校入学が目標」になっている生徒の志と主体性をどう育てるか課題1年生で体験を増やす。2年生では志望理由を書き、考えをまとめる活用 自己分析  適職発見  学校・学部研究  志望理由【活用キーワード】創立1893年/普通科(男女)生徒数715人(男子373人、女子342人)進路状況(2019年3月実績)大学進学184人、専門学校進学4人、就職5人、その他42人取材・文/丸山佳子学問・仕事、地域・社会をつなぐ体験学習と「自分の言葉で書く」を徹底し、主体性を育む八戸高校(青森・県立)4月 自己分析・適職発見プログラムを実施5月 スタディサプリ『未来事典CAREER』を活用し、興味をもった学問と仕事についてワークシートに記入させ、その後の面談の材料にする6月 独自の「自分再発見プロジェクト」実施 R-CAPの結果を活用して生徒をグループ分け。学問と仕事を広く知るため、生徒が興味をもったベスト10以下の仕事からテーマを選び、壁新聞の制作と発表を行う6月後半~ オープンキャンパス8月~ 東北大学で人工知能、機械学習に関する講義を受講。テーマを決めて大学院生と共同研究 「三八地域活性化協議会【U20】」プロジェクトに、希望者参加。八戸せんべい汁研究所、NPO法人Reconnectと連携して事業計画10月~ 文理選択面談開始勉強の動機ともなる志望理由をできるだけ早期に固められるように、定期考査や模試、学校行事を除いた朝学習の10分を活用し、まとめていく。「5日(50分)で課題のワークシート、小論文を提出することで、進路指導が学業の負担にならないように工夫をしています」と相馬先生。4月 スタディサプリ『適性診断for 進学事典』で自己理解6月 スタディサプリ『志望理由・小論文BOOK』で文章表現を学ぶ1月 志望理由書作成 生徒の志望理由書をもとに面談を行い、AO入試が可能な生徒の掘り起こしを行う5月 スタディサプリ『学校&学部研究BOOK』、『進学事典』で情報収集と分析志と主体性を育てるキャリアプログラム学問・職業を知り、地域・社会とつながり、自分の経験を増やす1年生これまでの経験や自分の思いを言語化し、「志望理由」を固める2年生点数が取れる科目将来やりたいこと 好きな科目 3項目が重なる点で、将来と文理選択を考える632019 DEC. Vol.430

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