キャリアガイダンスVol.430
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中央教育審議会で学習指導要領改訂に向けた議論が活発に行われている最中の2016年春、Alpha-Goという人工知能(AI)が囲碁の世界チャンピオンを負かしたというニュースが飛び込んできました。向こう10年は人間には勝てないと言われていただけに、「AIに職が奪われる」「今、学校で教えていることは通用しなくなるのでは」といった不安も加わり、審議においても大きな論点の一つになりました。 しかし、国立情報学研究所の新井紀子先生や東京大学の松尾豊先生など専門家の意見は極めて冷静でした。確かにAIはセンター試験の世界史で満点をとれるレベルにはあるが、膨大なデータを基に確率の高い答えを導き出しているに過ぎず、設問の意味など理解していない。一方、人間は、情報の意味を理解し、文章を構造的に読み取るなど自分なりに考えるこ文部科学省 初等中等教育局 財務課 課長合田哲雄ごうだ・てつお●1970年生まれ。92年旧文部省入省。福岡県教育庁高校教育課長、NFS(全米科学財団)フェロー、高等教育局企画官、研究振興局学術研究助成課長、初等中等教育局教育課程課長などを経て2018年から現職。この間2度の学習指導要領改訂に携わる。目黒区立小・中学校のPTA会長を6年経験。上越教育大学、東京大学非常勤講師。近著に『学習指導要領の読み方・活かし方』(教育開発研究所)。新学習指導要領を学校現場でどう活かすか?日々の授業と、目の前の子どもたちが過ごす未来社会はつながっている。そう話すのは、2度の学習指導要領改訂で主導的な役割を果たしてきた文部科学省初等中等教育局の合田哲雄課長。新学習指導要領に込められた思いや、それを踏まえた学校現場での活かし方について伺いました。AI時代だからこそ学校教育が理想とした学びを本気で目指す取材・文/堀水潤一 撮影/平山諭72019 DEC. Vol.430
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