キャリアガイダンスVol.430_別冊
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率大学の英語教員チームとで共同開発する。 ここから見て取れることは、これまでの大学の英語教育で散見された問題、例えば教員によって指導する内容がバラバラになるといった問題を克服し、統一したレベルと内容において英語教育が全学生に提供されるということである。 また、外部の英会話スクールなどに全面的に委託すると、大学側の実情に合った内容へコントロールしていくための主体性を喪失してしまう懸念が生じるが、専任英語教員がリチャード川口先生とメソッドや教育方法を共有しし、同時に全クラスでのリアル授業の展開を担うことにより、大学としての主体性を確保し教育内容のレベルと質を担保できる。 では、なぜリチャード川口先生のメソッドをこのプラグラムでフィーチャーして 産業能率大学は英語教育の改革に取り組んできた。その過程では、英会話スクールとの連携なども検討してきた経緯がある。しかし、さまざまな選択肢を検討するなかから生まれた結論が、2020年度からスタートする新しい英語教育プログラムである。それは、「発音の鬼」として知られるリチャード川口先生のメソッドを、産業能率大学の英語教員チームがシェアして指導するというものだ。 この英語教育プログラムの外形的な特徴を簡潔にまとめると以下のようになる。 ①1年生全員必修の週2回の授業。 ②リチャード川口先生の映像教材による授業を毎回全クラスで行い、その内容を踏まえたリアル授業を産業能率大学の専任教員が各クラスで展開する。 ③映像教材とテキスト3冊を含む全教材は、リチャード川口先生と産業能いるのか。それが、このプログラムの内容的な特徴となっているので、以下、詳しく説明しよう。 リチャード川口先生は「発音の鬼」として知られる、カナダ生まれの日系カナダ人。アメリカ、オーストラリア、日本で育ち、カナダにいる日本人留学生向けのTOEIC専門校を経て、2013年に東京・お茶の水に「RK English School」を設立した。TOEIC専門校では、1カ月で全学生の平均スコアを180点向上させたという「伝説」を持ち、留学しなくてもネイティブと対等に会話できる独自のアプローチを開発している。 そのリチャード川口先生のメソッドを活用して、産業能率大学が新しく始める英語教育プログラムでは、授業は「楽しくなければ学べない。学べなければ楽しくない」をモットーに、英語でのアウトプット中心に進められる。 そこでのメソッドは①発音②英語脳③表現の3つに分けられる。 ①の発音では、英語の発音と日本語の発音の違いを踏まえ、ネイティブが自取材・文/教育ジャーナリスト 友野 伸一郎どの大学でも英語教育に力を入れようとしている。しかし、その方向はまちまちだ。eラーニングや海外とつないだオンライン英会話の導入、さらには英会話スクールとの連携に進む大学もある。そんななかで産業能率大学は、まったく新しい英語教育プログラムの開発・導入という方向に舵を切った。そのプログラムの全貌をレポートする。リチャード川口先生の模擬授業の様子5Vol.430 別冊付録
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