キャリアガイダンスVol.431
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設計。今年度から、地元の自治体、企業・団体、教育機関などと共にコンソーシアムを構成し、これを核として地域社会との連携を強化した体制のもとで実施している。 「勉強にやらされ感のある生徒が多いのは、学んだ先が見えないから。そのヒントをくれる〝先生〞を学校外の社会 名古屋市中心部にほど近い市街地にあり、「世界と日本の未来を担う国際人になるために」をスクールポリシーとする名古屋国際中学校・高校。同校が掲げる 〝国際人〞には、「知識やスキルをもつだけでなく、それを活用して国際社会に貢献する実践力をもつことができる」(小林 格校長)、「単に言われたことをやるのではなく、問題提起ができ、周囲を巻き込みながら自分なりに解決しようとする」(鈴木 悟教頭)、「将来どんな職業に就こうとも、常に地球規模で考え、自分さえ良ければいいではなく、他者や社会を良くするために自ら行動できる」(教務主任・黒宮祥男先生)など、主体的に社会に貢献していく意味が込められている。 そんな人材を育てるため、同校はこれまで国際バカロレア・ディプロマプログラムを導入し、貧困や環境問題をテーマに海外研修を組み込んだ国際理解カリキュラムを開発するなど、世界を視野に入れた教育を行ってきた。生徒の海外志向は高まり、海外大学への進学も目立つようになった。そのなかで、「海外で現地の人と意見交換すると、日本についての理解不足を痛感する生徒が多い」(武藤浩司教頭)、「フィリピンのごみ問題には興味をもつのに、地元の佐久島のごみ問題には見向きもしない。それは真の〝グローバル〞といえるのか」(教務主任・田中博之先生)と、足元にある地域の視点の重要性に改めて目を向けるようになったという。 「世界のどこにいたとしても、その場所で自分の最大のパフォーマンスを発揮できるようになってほしい。そのために身近な地域を含め、世界を俯瞰して物事が考えられる本質的な力を育てる必要があると考えました」(田中先生) そこで、これまでの国際的な活動をベースに、生徒と社会、地域と世界を結び付けるフレームとしてSDGsを活用したグローカル型のカリキュラムをお話を伺った先生方。校長・小林 格先生、経営企画部長・片山寿弘先生、教頭・武藤浩司先生、教頭・鈴木 悟先生、教務主任・黒宮祥男先生、教務主任・田中博之先生。本当のグローバルには地域の視点も必要国内外のネットワークを活用した段階的なカリキュラムをスタート取材・文/藤崎雅子地域連携によるカリキュラムの概要外国語教育教科教育総合等[学校設定科目]SIA特論※[探究型ゼミ]地域協働コンソーシアムゼミ全員1935年開校/普通科・国際教養科/生徒数450人(男子244人・女子206人)※高校のみ/進路状況(2019年3月卒業)大学119人・短大3人・専門学校24人・就職8人・その他9人学校データ希望者アカデミック・イングリッシュ・スキル獲得プログラムSDGsを軸とするコース・教科横断型の指導地域フィールドワークや国際理解講演会などのグローカルキャリア教育国際的な視野に立って思考する・外国語でコミュニケーションする・寛容な態度をもって問題を解決する・物事を主体的に探究する・自らを省察して多面的評価する人材地域課題研究「地域が元気になる持続可能なランドスケープとは?~天白川水系から世界の水と人の関わりを考える~」【1学年】Aichi地域探究カリキュラム【2学年】国際理解研修カリキュラムSIA特論Ⅰ【3学年】キャリアデザインカリキュラムSIA特論Ⅱ・Ⅱ演習・Ⅱ高大連携講座※SIA=Sustainability in Action!SDGsを軸に生徒と社会、地域と世界をつなぎ世界のどこにいても問題提起し行動できるグローカル人材を育てる名古屋国際中学校・高校(愛知・私立)242020 FEB. Vol.431

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