キャリアガイダンスVol.431
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学んだことや経験したことを振り返り、次の目標を立てる「ポートフォリオ」が導入される先生が知識を教え込む授業から、生徒が主体的に考え、学び合う授業に変わる生徒が自らテーマを設定し、調べたり解決に向けて取り組む探究学習が重視されるICT技術を活用し、一人ひとりが最適な学習内容と進度で学べるようになる生徒自身が基礎学力の定着を把握し、今後の学習活動につなげる「高校生のための学びの基礎診断」が始まるは、保護者にはまだしっかりと伝わっていない現状が浮かび上がった。 では「感じている」と回答した人は、どのような取組に具体的な変化を感じているのだろうか(図4)。 高校生では1位「学んだことや経験したことを振り返り、次の目標を立てる『ポートフォリオ』が導入される」(58%)、2位は「先生が知識を教え込む授業から、生徒が主体的に考え、学び合う授業に変わる」(51%)、3位は「生徒が自期待が寄せられていることがわかる結果となった。 それでは実際に、高校生自身、あるいは子どもが通っている高校で教育改革への対応を行っていると感じるかどうかをたずねてみた(図3)。 高校生では「感じている」という割合が 38%で最も大きかったが、保護者は「わからない」の41%が最多で、「感じている」は24%にとどまった。高校の対応育成など、これからの社会を生きる子どもたちのための教育改革には高いらテーマを設定し、調べたり解決に向けて取り組む探究学習が重視される」(48%)であった。「学びの基礎診断」や、前問で非常に期待の高かった「ICT技術の活用」は1割と低くなっている。 一方、わが子の在籍校での教育改革への対応を感じている保護者の結果を見ると、1位は「探究学習」(46%)、2位は「生徒が主体的に考え、学び合う授業」(41%)、3位は「ポートフォリオ」(35%)となった。 せっかく高校が熱意をもって進めている教育改革の取組も、保護者に認知されていなければ支持してもらえず、推進のエンジンも加速しない。改革への取組と並行して、どのように保護者に伝えていくかが、大切なポイントになっていくと思われる。具体的に変化を感じる取組内容(高校生・保護者:高校での教育改革への対応を「感じている」回答者/複数回答)38.125.933.42.723.929.241.06.0まだ感じていない感じているわからない無回答(n=1997)(n=1759)204060057.835.250.841.247.546.210.312.19.719.0※高校生のスコアの降順ソート(%)(%)高校生(n=760)保護者(n=420)保護者高校生保護者高校生保護者高校生保護者高校生保護者高校生保護者高校生<高校生の期待>●学び合う授業なのでわからないことが聞きやすくなる(鳥取県/女子/大学)●苦手な学習内容を自分のペースで学習できる(山梨県/男子/就職)●社会に出るまでに社会人基礎力がある程度付くと思う(熊本県/女子/大学)<保護者の期待>●暗記型ではなく自ら考えて行動できる人を育成する取組(東京都/母親/何でもいい)●学力の3要素が向上するカリキュラムに期待(東京都/母親/何でもいい)<高校生の不安>●その変化に自分がついていけるか(愛知県/男子/大学)●話したり自分の考えを見つけたりするのが苦手だから、学び合う授業は不安(和歌山県/女子/大学)<保護者の不安>●今まで先生主導だったので上手に受け入れられるか(北海道/母親/専門学校)●教育者(教員)側が十分対応できるか。とり残される子どもがいるのではないか?(山梨県/父親/大学)【高校の教育】の改革への期待と不安フリーコメント2在籍している高校での教育改革への対応を感じるか (高校生・保護者/単一回答)図3図4保護者の4割が改革への対応は「わからない」※フリーコメント末尾のカッコ内の表記は、高校生[都道府県/性別/ 希望進路]、保護者[都道府県/続柄/希望進路]期待に反し、在籍校の改革への取組の認知はまだ低い結果に高校生と保護者の進路に関する意識調査 2019 調査報告472020 FEB. Vol.431

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