キャリアガイダンスVol.431
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リクルートサービスを活用した実践事例【学習】創立1926年/普通科(男女)/生徒数1775人(男子1001人、女子774人)進路状況(2019年3月実績)大学428人、短大22人、専門学校50人、就職1人、その他16人 広大なキャンパスに幼稚園から高校までが集まる箕面自由学園。「特進(3種類)」「文理進学」「クラブ選抜」の3コースがある高校は、これまでは公立との併願も多かったが、近年は難関大合格者が増えて特進コース入学者が急増している。 なかでも、2018年度は、国公立大学の現役合格者が過去最高の75人と、前年比500%に(19年3月実績)。しかし、そこから見えてきた次の課題は、「受験に勝てる英語力の必要性」だったと当時の3学年主任、大東範行先生は言う。 「私がこの学校に赴任したのは、16年。消極的だけれども真面目な生徒たちは、その秋から導入したスタディサプリの講義動画などを活用し、かなり成績が伸びました。しかし英語だけは、3年になってリスニングと音読を一生懸命がんばってもなかなか成績が上がらず、受験に苦労した生徒をたくさん見てきました。文法をはじめ基礎学力がグラグラなうえに、単語を記号として覚え、言語として捉えていないから、読めないし、話せない。言語を学ぶうえで、消極的であることは、非常にマイナスです。消極的な生徒たちにインセンティブを与えたい。そう考えて今年度から導入したのがスタディサプリENGLISHです。私も使ってみましたが、『日常英会話コース』は楽しく英語が学べる。これなら、英語を話すことへの苦手意識が払拭できると思いました」 そこで同校では、特進コースの1年生400人が集まる入学後のオリエンテーション会場で、スタディサプリENGLISHにログインして、スピーキングを開始。1学期の1日目からは、8時30分〜45分までを生徒が自主的に学ぶ「朝ENGLISH」の時間と決め、サプリの活用をしている。「特進コースの全員で一気にログインしてスピーキングを行ったのは、この高校では、英語を話すのは当たり前という環境を作りたかったから。『朝ENGLISH』への出席は特に強制をしていませんが、『スーパー特進』は100%、『特進Ⅰ』は90%、『特進Ⅱ』も85%は出席しています。真面目で素直な生徒たちなので、みんなでやればやる。毎朝わずか15分ですが、英語に対する意識はかなり高くなりました」 毎年夏に募集しているニュージーランド語学留学の希望者は、前年の倍。放課後にオンライン英会話を活用する生徒は、前年の30人から3倍増。模擬試験のリスニングの点数が上がり、定期考査後の中だるみを防ぐために「スタディサプリENGLISH強化週間」を設けたところ、生徒たちは上位入賞を競うようになったという。 「英語への興味・関心を実力に変えていけるかが今後の課題です。2学期からは、『朝ENGLISH』の後に、中学英語の語源辞典を使い、5分で5問の小テストも始めました。小さな積み重ねが、やがて大きな力になると信じています」と大東先生。消極的で英語力が伸びない生徒に、受験に勝てるインセンティブを与えたい課題毎朝8時30分〜45分までの自主的なスピーキング学習で英語を楽しい学びに変える活用取材・文/丸山佳子 自学習慣 英語力強化 苦手克服【活用キーワード】スタディサプリENGLISH『日常英会話コース』活用法● 毎朝15分間の「朝ENGLISH」で スピーキング強化● 生徒たちの活用法● 年3回の「スタディサプリENGLISH 強化週間」で生徒のモチベーションUP1年生の特進コースでは、朝のホームルームの時間を活用して実施。出席は自由。自分のレベルに合わせたスピーキングの練習を、自分のペースで自由に行うだけでノルマもなしだが、90%以上の出席率を誇る。「学年通信に『8:30に来て勝てる受験生になろう!』『8:30に来ている人は合格する人です!』とスローガンを書くなどして、生徒たちを励ましています」と大東先生。上位入賞者は、終業式の学年集会で表彰。英語科の先生が、英語で表彰状の内容を読み、校長から表彰状を渡されるため、生徒たちのモチベーションアップにつながっている。各学期の期末テスト終了後から長期休みの前約1週間は、中だるみしやすい時期。そこで、生徒たちが活用している『日常英会話コース』の「完了レッスン数」、「デイリーレッスン時間」、「スピーキング力」を競わせるのがこの取組。三冠王を狙ってがんばる生徒もいるという。英語は苦手だったので、サプリがなかったら、リスニングやスピーキングの勉強はしなかったと思います。でも今は、単語が聞き取れ、内容が理解できるようになり、英語が楽しい。一人では超恥ずかしかったスピーキングも、みんなと一緒ならできる。一番先に声を出すようにしているので、友達から「平尾がリードしてくれるからありがたいよね」と言われるのも嬉しいです。卒業までに英検2級を目指してがんばります。 平尾 優風起(ゆうき)さん・スーパー特進コース1年1組●英語は好きだけれど、文法が苦手でした。でも、『日常英会話コース』は、話の流れの中で文法の使い方を教えてくれるので、すごくわかりやすいですね。特に「なりきりスピーキング」のレッスンは、物語になっているので次のシーンが気になって、空き時間についレッスンをしてしまうほど。すごく楽しく学べています。将来は英語の先生を目指したい。今、英検準2級をもっているので、卒業までに準1級合格が目標です。 桑野愛子(まこ)さん・スーパー特進コース1年1組毎朝、自主的に行う15分のスピーキングで苦手な英語を楽しい学びに変えていく1年主任(特進コース)地歴公民科教科主任大おおとう東範行先生箕みのお面自由学園高校(大阪・私立)652020 FEB. Vol.431
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