キャリアガイダンスVol.431_別冊
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 こうした動きに先駆けて、既に多くの日本企業がSDGsへのコミットを宣言し、国内外でアクションを起こしている。欧米を中心に環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行うESG投資が拡大しているように、自社の強みを活かして国内外の課題解決にコミットすることが、その企業の社会的評価に直結する時代になっているのだ。 では、今、世界各国の若者は何を解決すべき社会課題と考えているのだろうか。日本財団が日本、インド、インドネシア、韓国、ベトナム、中国、イギリス、アメリカ、ドイツの17~19歳に実施した調査結果をまとめたのが図3。共通して上位に上がっているのは貧困や差別の問題。さらに教育や気候変動についても若者の関心は高い。共創型社会では、このような問題意識が彼ら彼女らの進路選択にも大きく影響してくるようになるだろう。受け皿となる企業もSDGsに対応した経営にシフトしているのだから、社会全体が大きく変わる下地は十分に整っているように見える。 しかし、ここで課題となるのが若者の意識だ。図4をみると、世界各国の若者と比べて、日本の若者は「自分は責任がある社会の一員だと思う」「自分で国や社会を変えられると思う」など自己肯定感・効力感に関わる項目でYESと回答している割合が著しく低い。SDGsが浸透し始めているとはいえ、社会にコミットする意識やマインドが大きく変わらなければ、日本の若者が持続可能な社会作りに貢献していくことは難しい。が指し示す方向へ大きくシフトチェンジしつつある。 SDGsの認知度は急速に高まりつつあるが、とりわけ注目すべきなのは若い世代ほど認知度が高いことだ。 「教育の分野で取り上げられる機会が増えたことが大きいですね。今の中学生・高校生・大学生は、社会人以上にSDGsを理解していますし、その価値観も幅広く共有しつつあります。 こういった“SDGsネイティブ”の人たちが増えていくことが、今後の社会の変化に大きく影響していくでしょう」 自分が稼ぐこと、自分が勝ち残ることを価値とするのではなく、共創、協働して持続可能な社会を形成していくことに価値を見出す人が多数派となったとき、今の競争型の社会は自然なかたちで変質していくことになる。日本(n=464)1貧困をなくす47.8%2政治を良くする43.3%3社会的弱者に対する差別をなくす39.2%4障害者が住みやすい社会を作る37.3%5ジェンダーの平等を実現する36.9%インド(n=891)1皆が基礎教育を受けられるようにする51.7%2教育全体のレベルを上げる45.0%3貧困をなくす42.4%4ジェンダーの平等を実現する42.4%5政治を良くする37.6%インドネシア(n=746)1社会的弱者に対する差別をなくす52.0%2教育全体のレベルを上げる49.9%3貧困をなくす45.6%4障害者が住みやすい社会を作る37.4%5皆が基礎教育を受けられるようにする37.1%韓国(n=716)1政治を良くする48.7%2社会的弱者に対する差別をなくす42.6%3ジェンダーの平等を実現する38.7%4貧困をなくす28.9%5教育全体のレベルを上げる24.7%ベトナム(n=755)1貧困をなくす61.1%2気候変動対策59.3%3教育全体のレベルを上げる58.9%4健全な海の確保56.7%5社会的弱者に対する差別をなくす51.5%中国(n=734)1教育全体のレベルを上げる49.2%2貧困をなくす44.3%3皆が基礎教育を受けられるようにする44.3%4社会的弱者に対する差別をなくす44.1%5ジェンダーの平等を実現する38.8%イギリス(n=780)1気候変動対策58.2%2貧困をなくす53.5%3健全な海の確保49.4%4社会的弱者に対する差別をなくす47.3%5皆が基礎教育を受けられるようにする44.4%アメリカ(n=794)1貧困をなくす51.8%2気候変動対策51.5%3社会的弱者に対する差別をなくす50.3%4皆が基礎教育を受けられるようにする50.0%5健全な海の確保49.6%ドイツ(n=662)1健全な海の確保64.8%2気候変動対策61.5%3貧困をなくす52.7%4社会的弱者に対する差別をなくす47.7%5政治を良くする44.6%世界各国の17~19歳が解決したいと考えている自国の社会課題図3SDGs(持続可能な開発目標)図2出典/日本財団「18歳意識調査『第20回─社会や国に対する意識調査─』 ※調査対象は各国の17~19歳3Vol.431 別冊付録

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