キャリアガイダンスVol.432
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山本 享先生は、授業や学校行事を通じてPBLに積極的に取り組んでいる。PBLや自身の思考を整理するときにブロックを活用することが多いという。今回も2030年の理想の姿を表現してくれた。 「2030年の学校は、敷居や柵がなく、本校の教育方針に興味がある生徒みんなに集まってほしい。極論を言えば入試はなくたっていい。学校は、地域や誰かの役に立つプロジェクトを回す場で、その土台として知識をキャッチしていく。生徒たち一人の力は最初は小さくても、プロジェクトを通じて大きなことを動かしていく。自分自身は生徒たちと一緒に考える、フラットなプロジェクトの一員として、学校と社会をつなぐ役割でいられたらと思っています」 現在も学校内外でさまざまな役割を担って活動している山本先生。個人のテーマとして「教育格差」と「地域活性化」の研究にも取り組んでいる。 「例えば、他校にも素晴らしい先生がいらっしゃいますが、現状ではその先生の授業はその学校の生徒でなければ受けることができません。枠組みを越えて教育や学校をもっと公共に開いたものにできないかと考えています。自分も教員として他校の生徒とも関わりたいですし。私立校の教員らしからぬ発想ですが(笑)」 開かれた学校への一歩として、現在でも学校行事を活用したPBLで、地域活性の取組を実施。生徒たちが自走し公立高校の非常勤講師を経て、2006年より聖学院中学・高校に着任。保健体育科。2017年にLEGO® SERIOUS PLAY®トレーニング修了認定ファシリテータ取得。LEGO®を通じて、校外の多様な人々との協働活動にも励んでいる。山本 享先生聖学院中学・高校(東京・私立)2030年の私、そして学校は?〜すでに始まっている未来の数々〜誰もが自由に集まれる学校で生徒とフラットな存在でいたい※各先生が写真で表現した内容の詳細はキャリアガイダンスのホームページへ❶教員歴25年目❷聖学院で現場にいたい❸学校と地域をつないで、デザインベースの授業をしていたい2030年の私学校改革は、学校の教育方針、全教職員の考え方、生徒の実態やその時の課題とすり合わせながら進むと思います。その一歩目は、未来社会を担う生徒を育てるために、自身や学校がこの先どうありたいか、一人ひとりの先生が〝思い〞をもつことではないでしょうか。4名の先生に、10年後の「2030年の私、そして学校の姿」を自由に表現してもらいました。「計画ではなく夢や妄想でも良い」という設定の下、先生たちの生徒や教育に対するさまざまな思いがあふれ出てきました。ぜひ、皆さん自身も「理想の2030年」をイメージしてみてください。※各先生に聞いた「2030年の私」 ⬇ ①その時の教員歴は?②その時はどんな立場か? ③どんな働き方をしていたいか?取材・文/長島佳子342020 MAY Vol.432
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