キャリアガイダンスVol.432
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本学は、地域医療に貢献する医療従事者の育成を使命とした医療系の総合大学です。1974年の創立以来、社会の要請に応じながら、薬学部、歯学部、看護福祉学部、心理科学部、リハビリテーション科学部、医療技術学部を開設してきました。 学生中心の教育を行っていることが本学の大きな特徴。学生一人あたりの教員数は私立大学の中ではトップクラスであり、充実した専門教育や、国家試験対策もきめ細やかに行われています。各学部とも国家試験合格率は高い水準を維持しており、指導力の高い教員の配置や学生の意識改革などの工夫を重ね、一層の努力を続けています。 医療系の総合大学として、地域包な環境と教育重視の姿勢です。全教員に「研究も大事だが、それ以前に学生をしっかり育ててほしい」と繰り返し要望しています。FD研修も年に複数回実施。学生による授業評価も取り入れ、評価の高い教員は特別表彰のうえ、賞与に反映する制度も設けています。 私が学長になってから、学生に対して予防可能ながんである肺がんと胃がんでいのちを落とす可能性を限りなくゼロに近づけるプロジェクトを開始しました。肺がん予防のために、禁煙の重要性を講義や掲示によって学生に徹底させるとともに、胃がん予防のために、入学者には全員ピロリ菌抗体検査を行い、陽性者はすべて除菌することにしたのです。 本学は研究を疎かにしているわけではなく、今春設置した先端研究推進センターを中心に全学一体で世界に誇れる研究に取り組む体制を整えています。国際化へも力をいれており、現在、15カ国24大学と大学・学部間協定を締結。国際交流推進センターを中心に、留学生の受け入れ、学生の派遣など国際交流を推進しており、今後、提携大学を拡大していく予定です。多様な留学生から刺激を受け、グローバルマインドを磨き、視野の広い医療人となってほしいと思っております。【学長プロフィール】あさか・まさひろ●1948年生まれ。北海道大学医学部卒業。医学博士。北海道大学病院院長、同大学大学院医学研究科がん予防内科学講座特任教授などを歴任。2015年8月から北海道医療大学特任教授。同年10月同大学副学長。16年4月から現職。【大学プロフィール】1974年創立。薬学部(薬学科)、歯学部(歯学科)、看護福祉学部(看護学科、臨床福祉学科)、心理科学部(臨床心理学科)、リハビリテーション科学部(理学療法学科、作業療法学科、言語聴覚療法学科)、医療技術学部(臨床検査学科)の6学部および5つの大学院研究科を擁する。完全禁煙とピロリ菌除菌も話題。学生第一、教育第一を掲げる医療系の総合大学括ケアセンターや他大学とも連携しながら多職種連携教育にも力を入れています。よりよい医療人になるにはチームワークや患者さんとの会話を円滑にする教養、何より優しい心が求められます。自分のことは二の次に、患者さんに寄り添えるようでなければ医療職には向かないと考えています。私が十数コマの講義を担当しているのは、専門分野のみならず、医療に携わる者としての姿勢や倫理観についても学生に伝えていきたいからです。 私は北海道大学医学部卒業後、北大病院の病院長を含め、約40年を北大で過ごしてきました。どこか悠長なところもあった国立大学と私立大学である本学の違いは、結果が問われるシビア̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/定久圭吾北海道医療大学学長浅香正博492020 MAY Vol.432
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