キャリアガイダンスVol.432
53/64
【理事長プロフィール】たみや・こうじ●1957年生まれ。学習院大学経済学部卒業。京都校校長、大阪校校長、関西本部長などを経て、2019年12月学校法人立志舎 理事長に就任。【学校法人プロフィール】1979年設立。専門学校日本鉄道&スポーツビジネスカレッジ(日本スクールオブビジネスより校名変更)、東京IT会計専門学校、東京法律専門学校、日本動物専門学校など、東京、大阪、京都、名古屋、仙台、横浜、大宮、千葉に専門学校23校を展開。難関国家資格対策や公務員試験対策に定評がある。東京都墨田区に立志舎高校を併設。専門学校としての責任を果たし学生から信頼され支持される学校づくりを̶変革に挑む̶まとめ/堀水潤一 撮影/吉富祐一学校法人立志舎理事長田宮康司人生は、夢に向かってがんばることが大切。それは私の信念であるとともに、本学園の卒業生の多くが身をもって成し遂げてきた真実です。中高時代、必ずしも成績が振るわなかった学生が、わずか数年で公認会計士や税理士などの難関資格や公務員試験に合格するという事実。それは努力の証であり、私たちの誇りです。 もちろん試験に合格さえすればいいわけではなく、社会に送り出すことを使命とする専門学校として、コミュニケーション力や協調性、リーダーシップ、表現力、思いやりの心なども磨いてもらう必要もあります。その点、本学園独自の「ゼミ学習」は、今でいうアクティブラーニングを何十年も前から実践 そうした変化の背景には、学生の将来に強い責任感をもつ教職員の力も大きいと思います。時間を見つけては面談や雑談をするなど、クラス担任を中心に、学生と教職員の会話が絶えることはありません。 授業については、講義だけで終わることはありません。その日のうちに実践レベルの問題を解く力をつけさせ、「わかった」という実感をもって一日を終えてもらう。学校内で完結するようにしたいのです。とことん付き合う教員は大変ですが、授業料をいただいている以上、「学校では講義だけ、問題集は家でやれ」では無責任だと思っているからです。 ゼミ学習にしてもクラス運営にしても、昔から本学園には「こうするべき」というマニュアルはありません。学生は毎年変わるのだから、その都度、工夫を凝らさないといけないのです。マニュアルはないけれど、学園の基本目標である「学生から信頼され支持される学校づくり」というゴールは変わりません。 新理事長としての周囲からの期待は感じています。社会のニーズにあわせた新たなコースの設置などを進める一方、「資格」「就職」「キャンパスライフ」という3つの柱を何一つ欠くことなく、進化を続けていくつもりです。してきた能動的な学びの方法です。仲間と切磋琢磨するなかで、社会人として必要な力も養われているのです。ゼミ割といって、グループのメンバーが固定することのないよう、成績や性格なども考慮しつつ定期的に見直しも図っています。また、クラス対抗で行われる球技大会や総合体育祭のほか、学園祭や就職出陣式などの学校行事も、一体感や達成感をもてる絶好の機会です。 以前、保護者の方からこんな言葉をいただきました。「お陰で息子は公務員試験に受かり就職できました。ただ、それよりもずっとうれしいのは、無口だった子が入学後、本当に明るくなり、家での会話が増えたことです」。私にとってもうれしい言葉でした。532020 MAY Vol.432
元のページ
../index.html#53