キャリアガイダンスVol.433
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442020 JUL. Vol.433特別編第15回ケーススタディかりまざわ・はやと●1986年岩手大学工学部卒業後、岩手県の公立高校教諭に。早稲田大学大学院教育学研究科後期博士課程単位修得退学。教育学、教育カウンセリング心理学を専門とする。2015年4月より現職。会津大学 文化研究センター教授 苅間澤勇人 【監修&アドバイス】誌上 進路指導ケーススタディ不安定な状況下では、日頃くすぶっていたさまざまな課題が表面化しやすく、生徒の悩みも多様化します。そのようななかから、特に対応に苦慮しがちな3つのケースを取り上げてみました。先生方は、どのように対処されるでしょうか?生徒: 進学を諦めて、就職しようかと思い始めたんだけど。先生: どうした? 保育士になりたいって、ずっと言っていたよね。生徒: うち、シングルマザーで、お母さんすごく大変そうなの。弟もいるし。これ以上経済的に負担かけられないかなって思って…。ケース2家庭の事情で、夢を諦めようとする2年生先生: 進路希望調査書に、保護者の方の署名がないみたいだけど?生徒: あ~。親が就職するなって言っている。うち、生活保護受けてて。俺が就職しちゃうと受けられなくなるから、バイトにしとけって。先生: バイトで一生、食べていくわけにいかないだろう?生徒: 何とかなるんじゃないの? なんか、どうでもいいし。ケース3貧困から自暴自棄になりかかっている3年生学校生活を通じて、ポジティブな感情を積み重ねる支援を根気強く実践 家庭にポジティブな環境がない生徒の場合、ネガティブな自己内対話が内在し、何を言っても「ああ、普通はそうなんですね。でも私はそうじゃないんです。やっぱり私はダメですね」と、何でもネガティ選択のプロセスに寄り添い、キャリアプラン作りを丁寧に行う 夢を追うことも良いこととされている今の時代、本当になりたいものがある生徒は、何としてでもそれを実現させようとします。その点、この生徒の課題は、意思の弱さやべったりの親子関係、自立経験を一緒に振り返り、認める。丁寧なカウンセリング姿勢で臨む 何をしたいのかわからない、言葉にできないという生徒は少なくありません。特に、これまでに家庭でも学校でも周囲から認められた経験が少ない生徒の場合、自分の意思を示すことに不慣れで、先生: 将来への希望や高校時代に取り組みたいことなど、アンケートにほとんど答えられていなかったみたいだけど?生徒: う~ん、特には…。先生: 何かやってみたいこととか、興味があることとかは?生徒: ……特に何も思い浮かばない。先生: 最近だと、何に興味があるのかな?生徒: 別に…。ケース1自分の考えを持てなかったり、言葉にできない1年生
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