キャリアガイダンスVol.433
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国語英語数学3教科平均2016年4月→9月-6.9-19.0-11.4-12.42017年4月→9月-5.9-12.5-14.7-11.02018年4月→9月-6.5-11.9+7.4-3.72019年4月→9月-0.6-6.5-5.4-4.2リクルートサービスを活用した実践事例【学習】創立1970年/普通科・理数科(男女)/生徒数963人(男子518人、女子445人)進路状況(2020年3月実績)大学257人、短大2人、専門学校等5人、就職1人、その他52人 2004年度に理数科がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に指定され、その後は普通科生徒にもSSH選択の道を拓き、現在3期目の指定を受けている柏高校。高大産連携や海外研修にも力を入れ、2015年度からは千葉県の進学指導重点校にも指定されている。 「進学指導重点校となって必要性を感じたのが、生徒の自学をサポートするツールです。本校では部活動加入率が高いため、通学時間や隙間時間を活用して学力の底上げができないかと考えていました。スタディサプリなら、生徒は講義動画でいつでもどこでも学べ、教員は課題配信ができます。さらに、学びを確認する到達度テストは苦手克服に役立つと考え、1、2年生は全員、3年生は任意導入をすることにしました。導入して丸5年でかなりの成果が出ています」と太田恭正校長。 「今年3月の卒業生に、『主に利用した民間教育サービスは?』と質問し、その回答とセンター試験得点率との関係を調べたところ、驚く結果が出ました。8割いる予備校受講者より、主にスタディサプリだけを活用した生徒のほうが、センター試験の平均点が高かったのです」 そう話す進路指導部長の武田泰彦先生は、自ら編集をした最新版『進路の手引き』に、〈学習方法〉としてこのデータを掲載。〈卒業生合格体験記〉として、サプリの活用法も掲載している。 「生徒のサプリ活用状況と成果をデータで見える化することは、生徒のやる気アップだけでなく、教員の賛同を得て活用を進めるためにも役立ちます。やる気ある生徒はどんどん活用する。それを学年全体で進めていくのが難しいんです」 同校でも、学年全体で顕著な成果が出てきたのは昨年からだ。 「4月と9月の到達度テスト後に、英数国の教科担当が集まって授業で補う点や課題配信の方針を決める〝振り返り会〞を行うようになり、より成果が出てきました。5月の大型連休明けからは課題を多く出して動画を見る習慣づけをし、定期考査や模試の成績が上がったら、褒める。この時もデータを示して褒めるほうが効果的です。サプリのテキストを用意して課題配信する方法もありますが、昨年の1年生は数学の成績が良かったので、週末課題の問題集を用意し『この課題には、サプリのこの動画が参考になるよ』と指導しました。生徒に合わせた使い方ができるのも、サプリのメリットだと思います」と、昨年1年生を担当した武藤勝澄樹先生。 今年2月から休校が続いたが、サプリでオンライン学習ができたことは、生徒と保護者の大きな安心材料になったという。「今後はオンライン学習が必要不可欠」と太田校長。今年度の1年生からはスタディサプリEnglishも始めている。進学指導重点校として生徒の自学をサポートし、学力の底上げを図りたい課題年2回、到達度テスト後の振り返り会で、指導方針を練り、生徒を伸ばす活用取材・文/丸山佳子 自学自習  到達度テスト  オンライン学習【活用キーワード】スタディサプリ活用法● 講義動画の総視聴時間数が、 過去2年に比べ、大幅UP!● サプリへのログイン人数が 過去2年に比べ、大幅UP!● 高校1年生・到達度テスト4月→9月 年度別点数変動柏高校(千葉・県立)2019年は、4月の到達度テストの結果を受けて“振り返り会”を行い、苦手分野の連動課題を5月から配信。5~6月の生徒の活用が大きく伸び、定期考査がある7月は活用が落ち込んでいるが、8月には活用が上向きになっている。●生徒たちのサプリ活用法自宅で勉強していて、参考書を見てもわからないところがあるときは、必ずサプリの動画を視聴するようにしています。1チャプター15分程度と短いので、わからない部分をパッと見ることができて効率的に勉強ができます。1年生から活用して、数学ができるようになったのが嬉しいです。今後は、復習はもちろん、受験対策に使っていきたいです。(2年3組・小坂俊太郎さん)●理系教科は、問題を解きながら解説を見てもわからないときにサプリの助けを借り、少し苦手意識がある文系教科は、動画を最後まで見て、暗記が必要な点をメモ。暗記を助ける豆知識(時代背景や例文など)も教えてもらえるので助かっています。2年生のうちに苦手分野や暗記科目をコンプリートし、3年になったら受験勉強に活用したいです。(2年1組・高橋佑奈さん)サプリ活用状況と成果を、データで「見える化」。生徒と教員が同じ目標をもち、自学力を養う左・進路指導部長武田泰彦先生(社会)中央太田恭正校長右・2年生進路担当武藤勝澄樹先生(数学)■ 高校1年生・総視聴時間数(月次)活用当初は課題のためにログインをしていた生徒も、部活の先輩や友人から「この講座がいい!」と薦められると、予習・復習で活用するようになる。「年々口コミ情報が増え、ログイン数も増えてきました」と武田進路指導部長。4月のテストでは中学生までの学びの到達度を、9月のテストでは中学と高校1年1学期までの到達度を図る。一般的に、4月に比べ9月は点数が下がるが、“振り返り会”を行って到達度テストの連動課題に取り組んだ2019年は、下がり幅が少なくなっている。■ 高校1年生・ログイン人数(月次)4月6月5月● 2017年度 ● 2018年度 ● 2019年度7月8月010005001500200025004月6月5月7月8月0200100300400● 2017年度 ● 2018年度 ● 2019年度632020 JUL. Vol.433

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