キャリアガイダンスVol.434
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取り入れてもらうためで、文部科学省も今年度中にICTが整備されることを前提に、先生の教え方や学校の在り方、教科書の在り方などすべての教育政策を動かしていきます。新しいスタンダードに乗り遅れないためにも、ぜひできるところから、真剣に取り組んでいただけることを切に願います。―最後に、全国の先生方にエールをお願いします。髙谷 いろいろと厳しいことを申し上げましたが、現場の先生方は肩に力を入れずに、できるところから進めてクール構想の本来の目的は、もっと子どもたちに今の社会に合ったものを提供し、まさにそれによって「主体的・対話的で深い学び」を実現しようということです。―個別の授業のほかに、ICT活用はどんな可能性をもっていますか?堀田 先生にとって、生徒の学びが「可視化」されることです。生徒が自ら調べたり学んでいるか、あるいはどこでつまずいているかなどは、ICTを使えば一人ひとりの状況を細かく把握できるようになります。学習指導要領にも書かれている「学びに向かう力」は生涯大事な力。それを育むために、個別の生徒の状況に合わせて声をかけて励まし、やる気を育むのが教員の役割です。それがICTによってやりやすくなるわけです。 学習指導要領もGIGAスクール構想も、誰一人取り残さない、一人ひとりの能力に合わせた学びの実現、「個別最適化」を目指しています。個別最適化はICT導入前から先生たちは取り組んできたと思いますが、子どもたちの多様化が進むなか、すべての子どもの学びを公教育の場で保障するには手作業に限界を感じませんか? ICTを使えば、生徒の様子の可視化やデータとの照合もやりやすくなり、きめ細かな学びが実現できいただきたい。「変だ」「こうしたい」と思うことがあればぜひ声を上げて、学校内外の人々を巻き込んで、面白い取組を拡げていくことで、教育を発展させていってほしいです。堀田 私は実はあまり心配していなくて、今年度中にインフラは整うので、今後は大きく変わると信じています。大学入試も変わるし、総合型選抜も増えています。先生方が積み上げてきた学びとICTの組み合わせは、役割分担することで、いい感じに変わるのではないでしょうか。ます。デジタルで人間関係が希薄になるという意見もありますが、私は逆に、生徒と先生は近くなると思います。個別最適化の最終目標は「生徒が自分で最適化できるようになる」こと。つまり「自己調整学習」の力の育成です。コンピュータが最適と言ったものを参照しつつ鵜呑みにはせず、自分のやりたいこと、自分のできることを自己判断し、自分で工夫しながら学べるように育ってほしいですね。髙谷 可視化は私も非常に重要だと思います。先生が何を教えているか、授業やクラスの様子を保護者や地域社会からいつでも見てもらえるきっかけにもなるからです。そのことで、学校も外部からのサポートを受けやすくなります。ICTにより、教室や学校が「壁」を越えて、日常的に社会全体で教育を考えていくことができるようになると期待しています。―休校期間中にICT利用は進みましたが、登校再開で従来の授業に戻そうという動きも見られます。それについてはどうお考えますか?髙谷 後退はあり得ない。歴史を揺り戻してはいけない。前提として、休業要請後にGIGAスクール構想を前倒ししたのは、オンライン授業をやるためだけではありません。普段の授業や校務に、当たり前のようにICTを肩に力を入れずにできることから大きく変わると信じています
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