キャリアガイダンスVol.434
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いうことが、何よりも良かったと思っています」(北野先生) 続く2020年の校内研修では、〝知識・技能の習得〞と〝資質・能力の育成〞は切り離せず、「生徒が自ら知識や技能を活用するなかで思考力や表現力も培われる」という認識を共有。そのうえで、そうした主体的な学びを促すには、授業をどう改善すればいいか、初めに個々で考え、次にグループで情報交換したという。 「先生たちが独自に築いてきたいろいろな授業のやり方を否定し、同じやり方に揃えたいわけではないんです。共通認識としてもちたいのは『生徒にどた野村幸史先生も同じ思いをもつ。 「互いの教科書を読み合い、学習の仕方も話し合うと、自分にも新たな発見があるんです。だからみんなでやる。『やってみよう』が授業改善PTのキーワードですね。仮にうまくいかなくても、その悩みを打ち明けられる空気がこのPTにはあるので」 PT会議に参加している教頭の川内邦央先生は、「先生方は放課後も話し合っていたり、この活動に相当な時間を割いてくれている」と語る。 「けれどもそれで多忙感を抱くというより、楽しんでいるのが見て取れるんです。それがこの自主的な授業改善PTの一番の良さだと思います」 授業改善PTは、先生たちの意識にも変化をもたらしたという。 「マンネリの授業はつまらない。ドキドキしながら新しいことをやって、手ごたえがあれば喜び、失敗したら反省し次の時間に補う。毎年リニューアルしてより良くしたい、という思いが強まりました」(野村先生) 「互いに楽しく学べる授業をしたい、と思うようになりました。〝Funny〞ではなく〝Interesting〞のほうですね。学習テーマを僕ら教員も『楽しい』と思える形で届け、生徒の興味関心を引き出す。生徒が自ら学ぼうとする〝きっかう学んでほしいか』という点で、そこを目指して『おのおのが自分の強みや得意なやり方をどう磨いていくか』を話し合う授業改善にしたかったのです」(福島先生) 「自ら探究する学び」を推進することには、できない生徒もいるのでは、と心配する声もあった。でも北野先生は「やってみないとわからない」と思ったという。結果、「生徒ががんばってくれて、我々も『やってよかった』と言い合うことができました」。 そもそも「できる、できないは捉え方次第」と福島先生は思っている。 「現役で東大合格など、全員をある時期までに同じ到達点にもっていこうとすると、『できない』生徒も出てきます。ですが、他人との比較ではなく、生徒の今とその後に着目すれば、『できる』ようになったことが見つかります。受験も軽視はしませんが、まず目指すことは、個々の生徒の『できる』を増やし、本人もそれを感じられるようにし、その成長を後押しすることだと思うのです」 ではそのためにできる授業の工夫といえば? まさにその一案として、北野先生は今、「ICTを活用した生徒へのフィードバック、学習の個別化に取り組みたい」と構想している。け〞をつくるのが授業の核だと感じています」(今川先生) 「教えすぎないことを意識するようになりました。生徒が自分で考え、話し合って新しいことを学び、今得た知識もすぐ使ってさらに学ぶ。そうして『自分の力で勉強できる』ようになることが、結局、受験の学力にもつながると思うんです」(小原先生)。 生徒が「自分で勉強できる」うえに「楽しいからそうしたい」と思える授業の組み立ては。「その成果を自分で見取れる」自己評価の在り方は。今後、小原先生は特にそうしたテーマを皆で話し合っていきたいという。各教科の学びを関連させる単元配列表の会議(写真左)。校内研修の様子(写真右上)。授業では生徒も探究的に話し合う(写真右下)。※関連単元配列表2017年発足時の授業改善PT会議(写真左上)。会議から実現した物理×世界史の横断授業(写真右上)。今年6月のPT会議(写真下)。目指すのはInterestingな授業「できない生徒」はいなかった※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.434)浮かび上がった教育格差 学びを進化させる「6つの視点」授業改善152020 OCT. Vol.434
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