キャリアガイダンスVol.434
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改善」「人的・物的体制の確保と改善」という「カリキュラム・マネジメントの3つの側面」が必要となってきます。 以下、カリキュラム・マネジメントについて直面しがちな課題に触れながら、意識していただきたい点についてお話ししていきます。 学校には必ず校訓や目指す生徒の育成像があると思いますが、伝統的に受け継がれてきた校訓は抽象的で大きすぎるものや、画餅化していることも少なくありません。 カリキュラム・マネジメントにおける教育目標とは、目の前の生徒たちをきちんと見て、卒業するまでにどんな生徒へとたどり着いてほしいかを具現化したものです。目標が具体的でないと、授業設計などの教育活動に結びつきにくいからです。 新しい学習指導要領は資質・能力ベースになっています。教科書の内容だけでなく、「その内容を教えた結果、生徒は何ができるようになったのか?」が問われています。 教育目標を具体的に言語化しやすくするために、私は講習会などで、「実際の生徒を思い浮かべて、Aさんが3年後に、何ができてどんな生徒として卒業する姿を見たいですか」と問いかけています。そして、「その姿に育てるためには、どんな授業や教育活動に力を入れますか」と尋ねると、普段実践されていることが教育目標からスタートしているか、取組は目標と結びついているかどうかに気づきます。 教育目標を立てたら、それを教職員、生徒全体が常に意識できるように、あらゆる場面で繰り返し確認することも重要です。例えば名刺に教育目標を書いている学校もあります。また、入学式や始業式などでの校長のお話も教育目標を意識したり、文化祭などの行事では生徒たちがキャッチフレーズを作ると思うので、そのキャッチフレーズが教育目標に合っているかをすり合わせるなどです。 カリキュラムを組み立てるときは、先生方が実施する教育活動が、資質・能力ベースで具体的に立てた教育目標の実現に向かうよう意識することが欠かせません。 教科・科目ごとに分離されたカリキュラムは、該当教科・科目で育もうとする資質・能力の育成には効率的ですが全人的ではありません。そこを補うために総合的な探究の時間などの授業図1 カリキュラム・マネジメントのアウトラインとよくある課題感 *田村先生のお話を参考に、編集部にて独自作成教育目標は具体的に表現どんな資質・能力を育むか多様な「つながり」が社会で役立つ学びを創る教育目標カリキュラム・デザインPDCA内外リソースの活用つなぐ教育活動(カリキュラム)内容、方法上の連関性評価を核としたマネジメントサイクルの構築協働性体制/組織文化生徒の目線を大切にした 「学びのマネジメント」何を学んだのか? 学ばなかったのか?条件整備活動(マネジメント)カリキュラム・マネジメンの側面❸人的・物的体制の確保と改善(必要なリソースや組織体制をどうするか?)【課題】全教職員で共有されていない全教職員で共有されていないリソース不足、推進体制が整っていないリソース不足、推進体制が整っていない【課題】言葉だけが先走っているうまく取り組めているかわからない「見える化」【課題】教育目標はあるが、どのような資質・能力を育むか、明確に言語化されていない【課題】日常の教育活動につながっていない日常の教育活動につながっていない意識されていない意識されていないカリキュラム・マネジメントの側面❶教科横断的な視点での組み立て(どのようなカリキュラムをデザインするか?)カリキュラム・マネジメンの側面❷教育課程の実施状況の評価・改善(プロセスをどうするか?)ヒト・モノ・カネ・情報・時間の再配分  PDCAサイクル302020 OCT. Vol.434

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