キャリアガイダンスVol.434
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が日本のカリキュラムにはあるわけです。学校全体の教育目標を実現するためには総合的な探究の時間のような、教科横断的な組み立てが必要となります。「カリキュラム・マネジメントの3つの側面」の一番目にも「教科横断的な視点」があり、教科横断が強調されているのが今回の学習指導要領のポイントの一つだと改めて確認しておきたいところです。 「学校での学びが自分の生活や将来に活きる」と生徒が感じる関連性を〝レリバンス〞と言いますが、カリキュラム・マネジメントでは〝連関性〞という言葉を使っています。要は「つながり」です。きています。こうした授業を年に数回できれば良いと思います。 単なる体験学習に終わらず、生徒がレリバンスを得る授業を組み立てるには、授業のなかで、いかに生徒に活動の場を与え、任せられるかだと思います。「先生が生徒目線に、生徒が先生目線に立つことが、学習効果を最大化する」と教育研究者のジョン・ハッティが説いています。生徒自身が何をどう学びたいと思っているか引き出しながら、授業を組み立てられると良いですね。 管理職や教務などの一部の教職員で目標やカリキュラムを策定することがカリキュラム・マネジメントだと捉えられているケースもよくあります。カリキュラム・マネジメントは全教職員が一丸となって、必要に応じて外部の人的資源も巻き込みながら組織的に取り組むことがポイントです。 カリキュラム・マネジメントがうまく機能していない学校では、学年や教科を越えた先生同士が協働する場が少ないのではないでしょうか。コミュニケーションのキーワードは「生徒のために」。「生徒の自己実現のために、生徒を複数教科で多角的に見ることを一緒にや「目標と授業」「目標と評価」「単元と単元」「学校と地域」などの連関性を意識した取組を行い、原理や法則性を生徒が理解して、実社会で使いこなせるほど知が高まるカリキュラムを実践しようということです。 総合的な探究の時間だけでなく、異教科でコラボするクロスカリキュラムの授業も有効です。例えばある学校では、国語と美術のコラボで、美術館の作品の紹介文を生徒たちが作って展示してもらえるという授業がありました。美術鑑賞と国語表現という教科横断だけでなく外部資源にもリンクしていて、リアルな学びを生徒が体験でりませんか」とアプローチしてみてはどうでしょう。対話をしてみると「同じことを考えていた」ということがよくあります。先生たちのもつ知識、知恵、経験、アイデアを個に閉じずに共有化することでカリキュラム・マネジメントが動き出します。 個人としてカリキュラム・マネジメントを意識して取り組まれている先生もいます。育ってほしい生徒像に向けて、本質的な問いを投げかけるように授業を工夫し、実践的な課題も与えて、3年間を見通したメリハリのある授業をされている先生がいたら、「そこから学ぼう」という意識をもって、研修会などでその先生の授業を真似してみるのも良いと思います。共に学び成長していく教員組織の文化が生まれれば、組織としてカリキュラム・マネジメントができていくと思います。 熱心に取り組もうとするあまり、カリキュラム・マネジメント自体が目的化すると本末転倒になります。カリキュラム・マネジメントの目的は、生徒の成長であり、生徒の「学びを最大化」することです。 「カリキュラム」とは教育課程のことだけでなく、「生徒の学びの総体」、つま組織的に取り組むために意思疎通の場を設ける生徒が「学べているか」取組の結果を評価・改善質問項目リーダー用学校の教育目標や重点目標は、「生徒につけたい力」「めざす生徒像」として具体的に記述されている。4321各教科等の教育目標や内容の相互関連が一目でわかるような教育課程表(全体計画や年間指導計画等)が作成されている。4321教職員は、各教科等の教育目標や内容の相互関連を意識して、日々の授業を行っている。4321少なくとも年に一度は、学校の教育目標や重点目標の達成度を測っている。4321生徒のアイディアや意見を取り入れ、生徒と共に教育活動を創りだしている。4321教育課程の編成、評価や改善には全教職員が関わっている。4321教職員は、学校の教育目標や重点目標について、その意味を具体的に説明できる。4321挑戦が奨励され、挑戦の結果失敗しても個人が責められない安心感がある。4321個人用私は、学校の教育目標や重点目標についてその意味を具体的に説明できる。4321私は、年間指導計画を、生徒の実態に応じて、柔軟に変更しながら実施している。4321私は、学校の教育目標や重点目標を意識して授業や行事に取り組んでいる。4321私は、各教科等の教育目標や内容の相互関連を意識して、日々の授業を行っている。4321私は、校長が示したビジョンや方針を十分理解している。4321私は、学校が力を入れている実践(特色)を具体的に説明できる。4321私は、自分の担当学年・教科だけでなく、学校の教育課程全体で、組織的に生徒を育てていくように意識している。4321非常にあてはまるだいたいあてはまるあまりあてはまらない全くあてはまらない図2 カリキュラムマネジメント・チェックリスト(抜粋)田村先生編著『カリキュラムマネジメント・ハンドブック』より抜粋。リーダー用が84項目、個人用が45項目ある。浮かび上がった教育格差 学びを進化させる「6つの視点」カリキュラム・マネジメント312020 OCT. Vol.434

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