キャリアガイダンスVol.434
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「教科別学習改善記録(英数国)」には、①教科ごとに目標を立て、それを達成するための学習法を考える、②定期試験などの結果をもとに学習法を振り返る、③振り返りをもとに学習法を改善する…というPDCAを記録する。冊子の冒頭には、学修状況評価に取り組む意義が明記された「はじめに」、「LHR・総合的な探究 年間計画」、諸活動を通して身に付ける力と評価基準を明記した「真高8つの力と統一ルーブリック」、学修状況評価のPDCAを図示した「総合的な探究の取組みイメージ」(上)を掲載。生徒が学修状況評価の意義や目的、全体像を理解したうえで取り組めるよう工夫されている。に」は、「君の人生の目的は何ですか」という問いかけで始まる。生徒は、人生の目的を考えたうえで学習目標(年間・学期)を設定し、その達成のために学習計画を立てる。そして、日々の学習内容や定期試験の結果を振り返り、客観的なデータを踏まえて自己評価する。さらに、より効果的に学力を高めるためにはどうすれば良いかを探り、うまくいっていないことは修正する。ノートには「目的(人生の目的・何を求めて勉強するか)」「目標(年間・学期)」「教科別学習改善記録(英数国)」「定期試験の勉強」「学習時間の記録」などの項目があり、生徒は年間を通して1冊のノートに記録を書き残していく。 4月(今年は休校の影響で6月)の最初の授業では、何のためにやるかという趣旨説明に時間を割く。「最初の意義付けが大事なので、何をするかどう書くかにとどまらず、この実践を通してどんな力を培ってほしいのかを明確に伝えることを意識している」と吉柴先生。最初はなんとなく書いている生徒も少なくないが、取り組むなかで次第に意味を理解していくという。ノートへの記入は基本的には個人で取り組むが、2学期には4人程度のグループで学び合う「グループ協議」の時間を数回設けている。勉強法を改善した点や工夫していることなどを情報交換することで、生徒は互いに気づきやヒントを得ていく。 そして、学年末の「学修状況評価発表週間」には、全員が1年間の総括として個人発表を行う(2019年度は休校のため実施なし)。もち時間は1人15分。学力や学習時間の推移がわかるデータなどを模造紙にまとめ、試行錯誤の軌跡や自分自身の変化・成長、取り組んだ感想などを、評価者を務める教員2名の前でプレゼンテーションする。ノートに記録した推移表をそのまま使う生徒もいれば、データを組み合わせてオリジナルのグラフを作る生徒や評価者用の手持ち資料まで準備する生徒などさまざまだ。評価者の講評は、後日、生徒にフィードバックされる。 「発表前は少し不安でしたが、実際は予想以上に質の高い発表が多く、頼もしく思いました。評価者のコメントも成績の推移だけでなく発表の良いところを評価したものが多く、多面的に見て評価してもらえるというのは生徒にとってもやりがいや自信につながったのではないかと思います」(石塚先生) 年間計画では個人発表で終わる予定だったが、教員からの要望があり、急遽、全体発表を行うことに(2018年度)。評価者や担任の推薦により選ばれた生徒2名が、学年全員が集まる修了式の場で発表を行った。 「学修状況評価 活動記録ノート 至誠」を使った学修状況評価には、「隠れた目的がある」と石塚先生は言う。 「従来の面談は、どこの大学に行きたい・何がやりたいという生徒の進路希望の聞き取りに終始しがちだったため、面談をも結果の背景まで語り合うことで生徒主体の質の高い面談を実現※ダウンロードサイト:リクルート進学総研 >> 発行メディアのご紹介 >> キャリアガイダンス(Vol.434)ツール1学修状況評価 活動記録ノート「至誠」(1年生版) 412020 OCT. Vol.434

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