キャリアガイダンスVol.434
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思い描いている授業の在り方目指す生徒像他の教育活動や社会とのつながり● 歴史の流れを考え、理解することで、今の世界の背景にあるものをつかみ、 この社会を生きるうえで必須の教養を深めていく● 資料を読んだり、仲間と意見を出し合うことで、自分の考えを深めることができる・ 学校全体で、生徒の学び合いを推進。自ら質問することや投げかけに反応することを重視している・ 教科書にはないが学習内容と関連する古今東西の社会的事象についてアンテナを張り、生徒とも共有する歴史の授業・ 歴史のテーマについて、これまでの学習内容や参考資料も踏まえて、自分事として考える・ 考えたことについてペアやグループで議論したり、発表をし合うことで、さらに考えを深める・ 文書の資料を読み込む。法律のような難解な資料を読むときは、音読やペアでの内容確認も行う・ 写真や動画、地図、統計などの資料を基に、そこから読み取れることを自分たちで調べる自分事で考える話し合う資料を読み込む分析する不足のところを教わりにくる生徒が多いのですが、次第に『これについてこう思ったんですけれど、どうですか?』『ヨーロッパのこの出来事が何かアジアにも関係していますか?』などと、自分の考えや疑問をもって話し合いにくる生徒が増えるんです。そうした発展的な話をできるのは、僕自身も楽しいです」 同じような思いは工藤先生も抱いている。 「授業で生徒とのやり取りを積み重ねていくと、昔と今の結びつきについて生徒が面白い発見することも出てきます。そうなると私もわくわくするんですよ」 そんな世界史の楽しさを生徒ともっと共有できるよう、野中先生は自分自身も 野中先生や工藤先生の授業は、生徒からも前向きに受け止められている。なにしろ、定期テストや大学入試の点数でもしっかりと結果がついてきているのだ。 世界史への関心が高まった生徒も多いようで、他教科の先生から「生徒たちが家でも世界史の勉強ばかりしていて、こちらの学習が足りていない」と冗談交じりに嘆かれたこともあったという。 野中先生が嬉しく思うのは、質問にくる生徒の姿勢に変化を感じたときだ。 「最初は『ここがわからないです』と理解世界史についてさらに勉強したいという。 「教育実習生でこの学校に来たときに、工藤先生から言われて胸に刺さった言葉があるんです。『世界史の授業をつくるのに一番大切なのはネタ集めだよ』と。実際、工藤先生の授業をコピーしていたときに、その点を痛感したんです。同じテーマで話をしても、読んできた本の冊数が全然違って、生徒の好奇心を呼び覚ますような話の広がりがまだまだ自分には足りない、と。だからもっと本を読まなければと思いますし、そこで知り得たことを生徒がどのように学べるとよいかも研究していきたいです。より響く説明の仕方とか、より学びが深まるICTの活用とか。どんな歳になっても、自分自身が探究する気持ちを失わずに、授業に臨んでいけたらと思っています」生徒はこう変わる昔と今の結びつきを発見し、意見交換を楽しむように世界史の知識や学び方を教師もアップデートし続ける■ INTERVIEW――野中先生の授業の特徴といえばなんでしょうか?遠藤さん「教科書には載ってないような面白いエピソードにもふれてくれるので、頭に入りやすいです」佐藤さん「続きが気になるような授業をしてくれます。だから、休み時間にみんなでタブレットで調べるのが面白かったりします」宇都木さん「気になったら自分たちで調べられる環境でもあるんです。いろいろな資料も用意してくれるので」渡邊さん「生徒同士の学び合いとか、先生との質疑応答が多くて、自分たちで考えを深めていける授業だと思います」林さん「自分だけでは気づけないことも、友達と一緒に学んでいけるのがいいなと思っています」――授業で学ぶなかで関心が高まったことはありますか?佐藤さん「昔の人たちの国の動かし方や、外交の仕方です。例えばドイツの首相だったビスマルクの政策だったり」林さん「言語に目がいくようになりました。その国である言語が使われるようになったその背景には、歴史的な物語があるので」遠藤さん「ヨーロッパ建築の美術様式などを写真も見ながら自分たちで調べるなかで、建築物に興味をもつようになりました」――世界史を通してどんなことを学んでいると感じていますか?宇都木さん「こういうことがあったから、こうなったという、今にも通じる物事のつながりを学べているように思います」渡邊さん「現実世界と過去がどんどんリンクしていくんです。昔の人のやったことや考えたことから学び、今に活かしていくことが、歴史を学ぶうえで大切なことなんじゃないかな、と思います」自分たちで調べて歴史の学びを今に活かす左から、遠藤胡くるみ桃さん、林 駿しゅんき希さん、佐藤里りいち壱さん、渡邊 諒さん、宇都木 唯さん612020 OCT. Vol.434

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