キャリアガイダンスVol.434
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リクルートサービスを活用した実践事例【学習】創立1938年/普通科・商業科生徒数791人(男子443人、女子348人)進路状況(2020年3月実績)大学125人、短大18人、専門学校等33人、その他68人 夏の甲子園に通算14回出場の野球部や海外の音楽祭にも招かれる吹奏楽部など、部活強豪校として知られる近江高校。キャリア教育にも力を入れ、国公立大・難関私大を目指す「アカデミーコース」、文武両道で難関大を目指す「アドバンスコース」、学びと部活動を両立させる「総合コース」、資格取得を目ざす「キャリアコース」と多様なコースがある。 「4コースのなかで、長年学習面での課題を抱えてきたのが「アドバンスコース」です。全国大会を目指す生徒たちは、練習も遠征も多く、部活中心の生活。コース内での学力差も出てくるため、個々に対応した指導ができないかと考えていました」と、進路指導部の花岡 真先生。 その課題解決のため、2017年度に導入したのがスタディサプリ。3年目からは独自の学習法で成果を上げている。 初年度は1年生に導入し、到達度テスト後に苦手を克服する連動課題の配信からスタート。自宅で講義動画を見て、必ず課題を提出することを目標にしたという。 「課題未提出は居残りとしたので、生徒は部活に行くために課題はやる。〝自宅でも勉強をするんだ〞という意識が出てきたのが導入1年目。2年目になると、夏休み後や進級時に学力を落とす生徒が例年より減ってきました。しかし、主体的な学習かどうかが課題でした」と花岡先生。 そうしたなかで、学年団から出てきたのが「強化クラブの生徒たちは、目標設定、トレーニング記録、反省などを、『部活ノート』に細かくつけている。その発想を学習に活かせないか」という意見だった。 「そこで導入3年目から取り入れたのが、定期テストや模試に向けて生徒各自が目標を立て、目標達成のための学習プランを考え、講義動画の内容をノートにまとめる『サプリノート』。1年続けて、生徒の取り組み方が主体的に変化してきたので、今年度からは講義動画をまとめる『サプリノート』と、目標設定をする『プランニングノート』の2冊併用を考えていました。ところが4月からの休校で『プランニングノート』は2学期からの活用になってしまいました。しかし、休校で生徒がオンライン授業に慣れたことは、大きなプラス」と花岡先生。1年担任の池内春奈先生も、「今年の1年生は、授業の後に復習ができるようにサプリの配信をしてほしいという積極的な声が多い」と話す。 来年までに電子黒板付きプロジェクターを全教室に導入し、ICT環境を整えるという同校。改革を推進する岩谷 斉校長は、「今後はオンライン授業が不可欠。すでに『アカデミーコース』では、スタディサプリEnglishを授業で使っています。スタディサプリも課題や自学だけでなく、授業で活用したい。今は変化の時代。授業も変えていかなければ」と意欲的だ。文武両道で難関大を目指す生徒たちに、状況に合わせた個別指導ができないか課題定期テストや模試に向けて目標を立て、講義動画を「サプリノート」にまとめる活用取材・文/丸山佳子 自学自習  オンライン学習【活用キーワード】スタディサプリ活用法●表紙に目標を書き、講義動画を学ぶ 「サプリノート」で自学力UP近江高校(滋賀・私立)「サプリノート」を1年間続けてきたのが、現2年生。「1年生はスタサプに慣れることからスタートし、目標設定は2学期から。1年間活用するとどう変化するか、今年7月に、1、2年生にアンケートを実施してみました」と池内先生。課題への取り組み姿勢が、1年間で大きく変化していることがわかる。●生徒たちのサプリ活用法●今年度2学期から活用する『プランニングノート 』入学後から授業はオンライン。わからないところは、課題で出されたスタサプの動画を見ると、短時間で復習ができたので、とても助かりました。得意な数学はスタサプで予習。苦手な古典は、授業でやったことをその日のうちに復習。毎日1時間程度活用しています。(水谷 聖(せい)さん アドバンスコース1年5組 ハンドボール部)●自主練でケガをし、期末テスト前に学校を休んだのですが、スタサプのテキストを見て大切なところをノートに書き、講義を聞きながら必死でノートを取ったら、テストですごくいい点が取れました。寮でノートを取りながら勉強する他、学校では、少し苦手な英語を見るようにしています。(岡田涼吾さん アドバンスコース1年7組 サッカー部)年間と学期ごとの学習目標、到達度テストの結果、目標達成のための各教科の学習スケジュールなどが書き込めるようになっている。目標設定をして実践を記録する「部活ノート」。その発想を学びに応用して、自学力が向上スタディサプリ活用状況1年生2年生出された課題は、期限までに取り組んでいる31%77%課題には取り組んでいるが、期限に遅れることがある46%12%ほとんど取り組めていない11%5%課題以外にも積極的に動画を見ようと努力している7%1%やる気がない2%3%その他3%2%左・進路指導部アカデミー部長兼ICT主任花岡 真まこと先生(英語)中央岩いわたに谷 斉ひとし校長右・アドバンスコース1年担任池内春奈先生(理科)652020 OCT. Vol.434

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