キャリアガイダンスVol.434_別冊
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文学部観光学部文化社会学部情報通信学部政治経済学部海洋学部法学部医学部教養学部経営学部体育学部基盤工学部健康学部農学部理学部国際文化学部情報理工学部生物学部工学部(全19学部)の伝統である文理融合教育だ。 学部の枠を超えた共通プログラムを担う現代教養センターの所長である成川忠之教授は、東海大学の文理融合教育をこう語る。 「東海大学の文理融合の神髄は、『科学と思想』です。例えば、原子力などの科学技術は戦争にも平和にも使うことができます。このような科学技術を扱う人間は、技術を進歩させることだけではなく、社会や人類のために役立てるための思想も探究していかなければなりません。科学技術の価値を決めるのは人の思想なのです。また、世の中の何かを探究しようとする場合、あるいは、何らかの課題を解決しようとした場合、文理融合による『複眼的思考』が重要になります。多様で複雑化した現代社会では、特定分野だけでなく、学問分野の垣根を超えて、必要な知識を総動員して、多角的な視点から洞察、思考することが必要だからです」 まさに現在のコロナ禍が象徴的だ。 東海大学には人文科学・社会科学・自然科学の各分野、さらには教養学部、健康学部などの学際領域にまで及ぶ19学部75学科・専攻・課程が設けられている(図1)。 受験生にとってこの豊富な選択肢は魅力だが、東海大学の特色はそれだけにはとどまらない。多様な学部に共通する柱となっているのが、同大学この社会的難題には、医学はもちろん、工学、経済学、政治学など文理にまたがる知識を組み合わせて臨まなければならない。専門家は、それぞれの専門分野を超えて複眼的思考をすることが実効的な議論や連携のために必要となる。私たち一人ひとりにも、多角的な視点でこの課題をとらえることが、より適切な判断、行動をするために求められる。 東海大学は、「自らの思想を培う」ことを教育理念の一つに掲げる。その教育の中核となす必修科目「現代文明論」(図2)は、50年以上進化をしながら続いている看板科目だ。取材・文/伊藤敬太郎国内トップクラスの学部・学科数を誇る東海大学は、専門分野の多様性を活かした教育とチャレンジプロジェクトにより、幅広い視野と柔軟な思考で課題解決に取り組む人材の育成を目指している。大学創設以来の伝統でもある東海大学の文理融合教育とはどのようなものなのか、学生の声も交えてレポートしよう。東海大学のキャンパスは全国に7カ所。写真は湘南キャンパス東海大学の学部図1現代教養センター 所長成川忠之教授5Vol.434 別冊付録
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