キャリアガイダンスVol.434_別冊
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各種ボランティアやスポーツを通した社会貢献など、学生が自発的に興味のあるテーマに取り組む課外活動であるチャレンジプロジェクト。参加学生が活動を通して体感した文理融合とは? 私が参加しているのは「病院ボランティアプロジェクト」です。なかでも地域の人々に健康・医療情報を伝えるセミナーを企画・運営する班のリーダーを担当しています。プロジェクトのメンバーは、工学部、健康学部、政治経済学部、法学部などさまざまでちょうど文理が半々くらい。そのメリットもよく感じます。例えば、私は理系なので論理的に話をするのが得意。会議で議論を整理したりするのには向いていますが、セミナーの現場でご高齢者を相手にしたとき、それでは伝わりにくいこともあります。それに対して、文系の人たちは、相手が何を求めているかを踏まえて伝え方を工夫するセンスがあり、お互いの良いところを活かし合えています。自分自身の課題であったコミュニケーション力もこうした経験を通して高まってきたと感じています。 少子高齢化問題をはじめとする社会問題のとらえ方も、「現代文明論」などの授業と日々の活動を通して変化しました。問題を多角的にとらえ、現在に至った歴史的経緯も踏まえて考えるなかで、時計の針を逆に戻すような安易な発想では解決が難しいと感じるようになったんです。問題と共存していくという考え方も必要だなと。具体的には、私は工学部なので、パワーアームの開発で高齢者の生活をサポートするといった貢献ができるという方向で考えるようになりました。 社会問題の有効な解決策の検討には必要と感じ、苦手だった歴史を調査する習慣がつき、学ぶことが楽しくなってきました。工学部 電気電子工学科 3年次 髙橋悠河さん 私が参加している「サイエンスコミュニケーター・プロジェクト」は、子どもたちを対象にした実験ショーや、科学をテーマとした中高生向けの冊子などを通して、理科や科学の楽しさを子どもたちに知ってもらうことを目標に活動しています。 私は実験ショーを実演するチームに所属。2~3年次のときはリーダーも務めました。実験を担当するというと理系の役割のように思えますが、文系だからこそ貢献できることも多いんです。例えば、理系の人たちが使う専門用語は難しくてわからないこともあります。でも、私がわからないということは子どもたちもわからないということですから、「もっとわかりやすい表現にしよう」と積極的に提案し、話し合うようにしています。 それがうまくいって子どもたちが興味をもち、「どうしてこうなるの?」と自分から質問してくれるとすごく嬉しいですね。 文理融合系の科目の授業でも、理学部、工学部、情報理工学部などの学生と議論をすると、自分にない発想に数多く出会えます。授業でも、プロジェクトでも理系の人たちと話をする機会が多いのは東海大学ならではの魅力ですね。自分の思考の幅も広がってきました。 実は活動をするなかで必要性を感じて理科と数学は高校の教科書をやり直したんです。大学の「データアナリシス」という授業で数学の基礎を学び直せたのもよかった。高校生の頃から、好き嫌いで学ぶ科目を絞りすぎないほうがいいなと改めて感じました。文学部 歴史学科 東洋史専攻 4年次 田澤美奈さん医療ボランティアの活動風景。左側が髙橋さん実験ショーでは視覚や感覚に訴えることを重視7Vol.434 別冊付録

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