キャリアガイダンスVol.435
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3年間のキャリア教育のサイクル図学びのサイクル進路*主体性を育むために伸ばしたい資質・能力として「チャレンジ精神」「寛容さ」「協働する力」「広い視野」「思考力」「表現力」「計画実行力」の7項目を設定している。主体性(7つの力*)学びの報告書キャリア・パスポート手帳ポートフォリオ日々の学びの意味と自分の成長の振り返りを重ね、今後の行動や将来に活かしてほしいと考えています」(錦織先生) 同校がキャリア・パスポートの導入で重点を置いているのは、記入欄を埋めることではなく、書くことを通じて次の行動への意欲や将来の目標へとつなげることだ。その効果的な実践のため、スパンの異なる3つの振り返りサイクルを設計、運用している(学びのサイクル)。 その1つ目は、手帳とポートフォリオを活用した日常的な振り返りだ。同校ではオリジナル手帳「カルデアの牧人」を作成し、全生徒に配布している。手帳には、時間割や予定のほか、その日の授業や活動を振り返って「心が動いた・興味・関心が広がった・もっと深く知りたい」と思ったことを記入する欄がある。「たくさん書くことより、生徒が負担感なく継続できることを優先。一律に毎日書くことは強制せず、印象に残ったことがあった日だけでもメモしておくように伝えています」(田邊先生) また、探究活動や進路学習で取り組んだワークシートや成果物などは1つのファイルに収集し、各自のポートフォリオとして保存しておく。「自分が何にどう取り組み何を考えたか、このファイルを見返せば思い出せる状態にしておくことが大切。あまり難しく考えずに、このファイルにためていこうと呼びかけています」(田邊先生)2つ目のサイクルは、こうして蓄積した日々の記録を基に行う、年3回(4・9・3月)のキャリア・パスポートへの記入を通じた振り返りだ。記入項目は時期によって若干異なるが、基本的な流れは共通している。初めにルーブリック評価表を見ながら、7つの資質・能力に関して現在の自分の到達状況をチェック。前回と比べて伸びた資質・能力に注目し、何が成長につながったか、蓄積した情報から掘り下げる。ほか、授業や進路学習、「総合」などで印象に残っていることや学んだこと、それによる自分の変化などを挙げ、将来取り組みたいことや、卒業後の進路に対する考えも記入する。 取り組み方は担任ごとに工夫しており、田邊先生の場合は、前回の記入内容を見直し、現在の自分と比較することを大切にしているという。「現在だけ見ていると成長はわかりにくいですが、以前と比較することで『今できていることが数カ月前はできなかった』『前はこんなにルーブリック評価が低かった』などと気づき、自分にどんな力がどれだけついたのかを実感し、自信につながると考えているからです」(田邊先生) なかなか書き進められない生徒もいるが、「何かすごいことを書かねばならないと思っている生徒も多い」と田邊先生。「〇〇ということがあったよね。そ図2:学びの報告書高校3年間を振り返り、「学校の課程で関心を持って取り組んだこと・取り組んでいること」「学校のキャリア教育で実施されるプログラムへの参加・取組状況」「社会体験その他の活動(ボランティア活動、留学、部活動、就業体験、その他の活動)」「興味・関心事項」「得意なこと・苦手なこと」「将来取り組みたいこと」「進学(就職)後、達成したい目標」などを記入する。1919年創立/普通科/生徒数282人(男子133人・女子149人)/2020年雲南コミュニティハイスクールコンソーシアムを立ち上げ、地域をフィールドとした学びを推進。全国から生徒を募集学校データ活動日常的な振り返り年3回節目の振り返り3年間を総括した振り返り日々の学びから進路決定まで振り返りを積み重ねる実践182020 DEC. Vol.435

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