キャリアガイダンスVol.435
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練習・試合・シーズンごとのリフレクション学びのサイクルうポジティブな記述には反応を入れるようにしています」(福田先生) 生徒に聞くと、顧問からの反応は「この方向でいいのだ」「自分を信じてやろう」という気持ちにつながるという。そうした繰り返しのなかで、生徒は何が楽しかったのか、どうなると楽しいのか…と徐々に具体的な文章を書くようになっている。 また、シートのコメントのほか、練習中の会話のなかでも、福田先生は「なぜ?」「どうしたらいい?」といった問いかけを頻繁に行う。例えば、普段より的中率が高かった生徒には、何が良かったのか?という問いを返し、「体調が良かったからですかね」「体調が良いと弓を引くのが楽みたいです」「ご飯をしっかり食べたからでしょうか」といった具合に、好調・不調の原因について生徒自身の考えを引き出すようにしているのだ。「調子の良い・悪い原因や対処方法を自分で考えることで、こうすればうまくいくというパターンが次第に見えてくるもの。その気づきの記録をファイルにとじてためておくことで、いつでも立ち戻って現状に活かせるようにしています」(福田先生) 試合では、「試合記録表」を同様の流れで活用する(図2)。最初に「試合の中で意識すること・実現すること」を設定し、的中数などを随時記録。終了後に「心」「技」「体」に分けて試合を振り返る。それに対し、福田先生がコメントを付ける。「練習時のシートでは、こちらのコメントが多すぎると生徒が消化不良になることもあるので、なるべく簡潔に返します。一方、試合時のシートにはたくさんコメントを返すようにしています。大成功も大失敗も、価値ある経験です。顧問からの言葉がけによって、『嬉しい』『悔しい』などの強い気持ちをより確実に自分のなかに刻み、次に活かしてもらえたらと思っています」(福田先生) 試合シーズンが終わると、全員で試合の録画映像を見ながら分析会を実施。「試合分析シート」を用いて、各自が自己分析を行うことに加え、ほかのメンバーからも自分の良かったところ・悪かったところについてコメントをもらう(図3)。そうして自分の課題を明確にし、次のシーズンに向けた長期的な改善策を考える。「『ここが良かった・悪かった』で終わるのではなく、その先が大事。客観的な意見も取り入れ、明確になった課題をどうするか、自分なりに考えて対策できるようになってほしい」(福田先生) 現在では、生徒同士が意見を言い合うのは、分析会の場に限ったことではなくなったという。生徒たちは、「ほかのメンバーの力になりたいから、思ったことは伝えるようにしている」「弓を引く毎回の練習・試合では、各記録表(図1・2)を用い、開始前にその日の取組目標を設定し、終了後に振り返りを行う。それに対し顧問がチェックして生徒に戻す。シーズン終了後は部員全員で試合のビデオを見て、分析シート(図3)を使って自己分析・他己分析を行う。その繰り返しのなかで自信を深めていく。※ダウンロードサイト:リクルート進学総研>> 発行メディアのご紹介>> キャリアガイダンス(Vol.435)やればできる自信先生・仲間との対話取組目標の設定個人の振り返り練習・試合試合ビデオを見て、良かった点は赤い付箋、悪かった点は青い付箋に記入してもらう。他者の分析も参考にして、右側の「改善点」を記入する。図3:試合分析シート(分析会用)試合の振り返りは「心」「技」「体」に分けて記録することで、勝敗の原因がどこにあったのかを見つめやすくしている。図2:試合記録表(試合用)記入ガイドを作成(下記)。今日できたことは「〇〇できた」、次回取り組むことは「〇〇する」と文末を例示するなどし、書くことへのハードルを下げている。図1:的中記録表(練習用)「学びに向かう力」を育むリフレクション授業、探究、HR、部活動・・・実践事例212020 DEC. Vol.435

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