キャリアガイダンスVol.435
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連携・協力進路相談支援進路サポーター生徒HR担任相談(全般)支援キャリア教育全体計画キャリア教育年間指導計画進路指導部キャリア教育推進委員進路指導部長佐藤圭司先生図1海津明誠高校のキャリア教育全体像 海津明誠高校の進路指導の特色が、今年で9年目となる「進路サポーター制度」だ。全校の教員で生徒の進路実現を支える取組で、3年生の生徒1人につきクラス担任以外の教員1名が進路サポーターとしてつく。生徒と進路サポーターとのマッチングは、生徒の進路希望や性格、適性などに応じて、進路指導部が行う。今年度の3年生は157名。教頭をはじめ管理職を含む全37名の教員が進路サポーターを務め、1人につき4〜5名の生徒を受けもっている。本制度が始まる以前より同校に勤務し、今年度より進路指導部長を務める佐藤圭司先生はこう話す。「本制度には、生徒一人ひとりの主体的な進路実現を支えることに加え、3年生のクラス担任を助けるという意味合いもあります。本校ではもともと進路が多様だったうえに、近年は大学の入試方式が多様化し、志望理由書の添削や小論文の指導など、担任の負担が著しく大きくなっていました。そこで、ほかの先生に進路サポーターとして入ってもらい、協力して生徒を支えることで負担を軽減し、よ 岐阜県最南端に位置する海津市にある海津明誠高校は、1921年創立の海津高校(普通科)と1983年創立の海津北高校(情報処理科・生活福祉科)の再編により、2005年に開校した学校。普通科(文系・理系・看護系・教養系)・情報処理科・生活福祉科(ライフ類型・福祉類型)の3つの科からなる。部活動も盛んで、特にヨット部はインターハイや国体で24回もの優勝を誇る強豪だ。 生徒の進路状況は、大学進学、短大進学、専門学校進学、就職など、いずれの科でも多様になっている。この多様さゆえに、学年全体に向けた統合的なキャリア教育や進路指導と同時に、生徒一人ひとりの進路や特性に応じた個別支援・対応が求められ、特に3年生のクラス担任の負担は大きなものとなっていた。一部の教員に集中しがちな負担を軽減し、生徒一人ひとりの進路実現を支援するために、同校では2012年度に「進路サポーター制度」を創設。これを軸として、学校が一丸となったキャリア教育ならびに進路指導を実践している。 一方、「素直で素朴」な生徒が多く、吸収力があり良い面もあるものの、教員の助言や指導をそのまま受け入れてしまう受け身な一面があることが課題となってきた。今年度からは、生徒が自分の進路について主体的に考え、自ら選び取るための支援をさらに強化。学校を挙げて進路指導に取り組んでいる。海かいづめいせい津明誠高校(岐阜・県立)取材・文/笹原風花担任+1名で生徒の進路実現を支える「進路サポーター制度」大学進学43人、短大進学9人、専門学校進学40人、就職75人、その他8人進学先、就職先とも県内や愛知県が中心で、地元志向が強い。生徒が集中する学校は少なく、進学希望のなかでも多様な進路指導が求められている。1921年創立(2005年に再編)/普通科・情報処理科・生活福祉科/生徒数481人(男子216人・女子265人)402020 DEC. Vol.435

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