1981年、佐藤英樹・富美子により創立。教育方針は「すべてに誠をつくし最後までやり抜く強い意志を養う」。イートン校をはじめとする英国のパブリックスクールを模範とし、その精神とエリート教育をベースに、国内はもちろん世界のリーダーとなる資質をもつ人材の育成に力を注いでいる。広大なキャンパスには体育館3棟、グラウンド8面など、施設も充実している。西武学園文理中学・高校(埼玉・私立)まとめ/石井栄子 撮影/丸山 光しばた・まこと/1957年生まれ。1980年に数学科教員として入都。都指定の進学指導特別推進校で13年間実践を重ねる。その後、長期社会体験研修生として労働経済局商工計画部派遣。2004年に生徒による授業評価開発委員会の副委員長として、全都立高校に授業評価を導入。2005年より進学指導重点校にて副校長を6年間務め、都立高校の進学指導の再建に貢献。2014年より中高一貫教育校の都立大泉高校の統括校長。その間、全国高等学校長協会大学入試対策委員長として4年間、文部科学省の協議会委員などを歴任し、高大接続改革を推進。 東京都で40年間教育現場に身を置き、進学指導重点校副校長、都立中高一貫教育校の統括校長、全国高等学校長協会大学入試対策委員長などを務め、高大接続改革を推進してきました。その経験が役立つならと、2019年に本校に着任し、学校改革にまい進しているところです。 着任直後に全教員の授業観察と、1対1での対話を行いました。どの教員も、現状に危機感をもちながらも、熱意をもち、前向きに授業に取り組んでいます。これは本校の強みだと確信しました。一方で、各学年で独立して行われている成績会議、クラス編成の多様化によって増え過ぎたコースなど、適正化を図るべき課題もありました。 そこで、着任1年目は、大胆な組織改革に取り組みました。混乱もあったと思いますが、「この学校を良くしたい」という共通の思いに向かって先生方と心を一つにし、新たな体制に向けての土台ができつつあります。 2021年度から本校は大きく変わります。創立以来グローバル教育を標榜し、37年前に英語科を設置しました。当時としては先見の明がありましたが今の時代、英語科が差別化になる時代ではありません。また、37年間で培った英語教育のノウハウを英語科以外の生徒にも活かしたい。そこで、本校の特色であった英語科を発展的に解消。すべてのクラスで英語の授業を強化し、全生徒の英語力の底上げを図ります。オールイングリッシュの英語の授業を展開し、時事英語、異文化理解、ディスカッション、ディベートなどの自分の考えを発信する英語活動や、教科横断型授業や内容言語統合型学習(CLIL)の理論を取り入れた授業を実施していきます。 従来の内進生と高入生のクラス分けも廃止します。グローバル社会ではさまざまなバックグラウンドの人と人間関係をつくりながら、時には本気で意見をぶつけ合って、協働していかなければなりません。多様な人間関係を構築していく力をつけるためにも混成クラス編成は必然的な流れです。同時に、英語・数学のすべてのクラスで習熟度別指導を行い、しっかり学べる環境を整えます。 早期の文理系分けの廃止も改革の柱の一つです。行き過ぎた先取り学習や、大学受験対策だけに重点を置く教育は、生徒が教養を身につける機会を奪ってしまいます。早すぎる進路選択は、大学に入ってからのミスマッチなどの弊害も生んでいます。文理横断的な幅広い教養を身につけ、豊かな人間性を育みながら自分の適性を見極めてほしい。 大切なのはお題目ではなく、どんな生徒を育てたいか。本校では、課題先進国の日本を、課題解決先進国に変えていける若者を育てるべく、「日本人としてのアイデンティティを大切にしながら、グローバルな視野をもち、自ら課題を発見し、多様な仲間と協働しながら解決・発信できる資質・能力」を育んでいけるように、一層の改革を続けてまいります。英語科の発展的解消、混成クラス編成、ゆるやかな文理系選択472020 DEC. Vol.435
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