キャリアガイダンスVol.435
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リクルートサービスを活用した実践事例【学習】創立1983年/普通科(男女)/生徒数634人(男子342人、女子292人)進路状況(2020年3月実績)大学118人、短大14人、専門学校等83人、就職19人 例年、大学進学者は120人弱(うち国公立大学20人前後)、公務員をはじめ就職者も20人弱と、進路の幅が広い中間高校。生徒の希望を叶える学びの提供と自学習慣の構築は長年の課題だったという。 「解決策にスタディサプリを選んだのは、昨年、県の教員研修で、教育長が『これからはICTを教員のアシスタントとして活用していく時代』と話されたことがきっかけです。ICTはハードルが高いと感じていましたが、サプリの講義動画を視聴し、ラインナップを見て驚きました。今後、当校で増えるであろう総合型・学校推薦型選抜(旧AO・推薦入試)に必要な対策講座があり、『公務員試験対策講座』もあり、総合的な探究の時間で活用したい『未来の教育講座』もある。生徒が必要な学びを選べて、教員も有効活用できるので、ぜひ導入したいと校長に嘆願しました」と堀 玲子先生。 1年生へのサプリ導入は今年3月。休校中であったが3月下旬には課題配信を開始し、4月には課題回収率100%を達成。1カ月で活用が習慣化したという。 「活用習慣化の鍵は、導入時の徹底指導です。今回は、コロナ休校のなかで生徒のために何ができるか、サプリ勉強会を開くなど、教員が一丸となって取り組めたことが結果につながったと思います。休校中は5月に行う到達度テストに向け、中学の基礎を中心に月曜課題配信、木曜回収。課題未提出の生徒には金曜に担任が電話をし、保護者からの声かけもお願いしました。担任からの電話は嫌でしょうから、生徒も課題をやる。ただし、9割の生徒は課題があって安心できたと、むしろ積極的に取り組んでいました」と堀先生。 「休校中、国語科では古典文法の復習課題だけでなく、2年生から難しくなる古文・漢文の読解講座や受験に必要な『小論文入門』講座など、予習も多く配信しましたが、意外にも生徒からは好評でした。どこから手をつけていいかわからない生徒も、『今、これを学んでおくといいよ』とアドバイスをすると、励みになったようです」と小森雅子先生も言う。 5月の授業再開後からは、到達度テストの苦手分野を穴埋めする連動課題を配信。休校中に英語の講義動画を視聴して要点をまとめた堀先生は、そのプリントを生徒に配布して予習をさせ、反転授業に結びつける仕組み作りに力を入れてきた。今後は、「総合型・学校推薦型選抜チーム、小論文チーム、公務員チームなど、進路別に特化したチームを編成し、対策講座を活用したい。主要学科も対策講座も、自宅でサプリを視聴してから授業で学ぶ、自学の習慣をつくりたいです」と意欲的だ。 「学校の文化が様変わりし、今後はICTは欠かせなくなりました。当校でも来年までにWi-Fi環境を整え、充実を図っていく予定です」と髙之口勝幸校長。進学から就職まで、幅広い生徒の希望に合わせた自学の仕組みを作りたい課題1カ月で課題回収率100%。今後は進路別にチームを作り、対策講座を活用したい活用取材・文/丸山佳子 オンライン学習  到達度テスト  未来の教育講座  対策講座【活用キーワード】スタディサプリ活用法● スタディサプリを使ってどんな変化がありましたか?(複数回答可)● 講義動画を視聴してポイントをまとめ、 予習用に生徒にプリントを配布中なかま間高校(福岡・県立)2年生195人を対象に8月に実施したアンケートでは、97人が「苦手な科目がわかるようになった」と回答。学習習慣がついた生徒も42人。●生徒たちのサプリ活用法一人で勉強をしていると煮詰まることがありますが、サプリの講義は、「こういう考え方もある」と細かく解説をしてくれるので、わかりやすい。休校中に苦手な単元をしっかりと勉強したことで、成績が上がりました。予習復習だけでなく、受験範囲を一から復習していくのに使っていきたいです。(2年1組 黒川大貴さん 写真左)●たくさんの講義を視聴できるのが楽しくて、課題以外も見ています。英語の関先生の講義は、イラストで単語の意味を解説してくれてすごく興味がもてたし、苦手な漢文も動画だと読み方がわかり、頭に入ります。これからは、受験には絶対に必要な小論文などもがんばりたいです。(2年2組 國光礼央奈さん 写真中央)●以前からYouTubeを勉強に使っていましたが、内容はイマイチ。サプリは、苦手な数学がメチャクチャわかりやすくて驚きました。今は毎日数学の宿題が出るので、わからないところはサプリで勉強しています。苦手な学科は基礎編で力をつけ、得意な学科は応用編で成績アップを目指したいです。(2年5組 中西恵望(えみ)さん 写真右)英語の関先生の講義に感動した堀先生がまとめたプリント。「コロナ禍で授業が遅れ、板書の時間がもったいない!」と、現在はこのプリントを反転授業に活用中。生徒からも好評だという。課題配信+進路に特化した対策講座の活用で、生徒の希望を叶える自学の仕組みを作る左・2年学年主任・英語科主任堀 玲子先生(英語)中央髙之口勝幸校長右・2年担任・国語科主任小森雅子先生(国語)苦手な科目がわかるようになった授業がわかるようになったテストの成績が上がった学習習慣がついた勉強が楽しくなった生徒がプリントをノートに貼り、動画でポイントを予習できるように考えて作成しています632020 DEC. Vol.435

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