キャリアガイダンスVol.435_別冊
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2Vol.435 別冊特集主体性実行力課題設定・解決能力チームワーク・協調性社会性論理的思考力創造力倫理観職業観自分の意見を発信する力異文化理解力他人の意見を聴く力主体性実行力課題設定・解決能力創造力チームワーク・協調性論理的思考力社会性倫理観専攻分野の専門的知識専攻分野の基礎的知識職業観人工知能やIoT等の革新技術に関する知識﹇理系﹈﹇文系﹈ 新型コロナウィルス感染症の拡大によって、1年前とはまったく異なる光景が広がっている。社会的にはソーシャルディスタンスを保った生活、リモートワークの普及とともに、対面のサービス業の苦境が続いている。そして教育の世界では、長期間続いた休校措置、リモートラーニングやブレンディッドラーニングへの取組が求められる事態になっている。 誰もが予期しなかった事態に対応して、世界でも日本でも懸命かつ多様な取組が始まっている。こうした事態のなかで求められるのはどのような能力だろうか。 そのような事態においては、当然、先例主義では対応不能である。誰かの指示を待っていれば、どこからか正しい答えがもたらされるわけではない。 自分の知識と経験のすべてを組み合わせ、正解のない問題に向き合って、解いていくことこそが、唯一の正しい途なのである。 このように考えてみると、教育関係者にとっては既視感をもたれるのではないだろうか。そう、これこそまさに、総合的な探究の時間や、主体的で対話的な深い学びを通じて、生徒を育てていくべき方向性として語られてきたことだからだ。  そして、今まさに、そのような事態が出しゅったい来している。 もちろん、これはコロナ禍のような極端な事態を想定して語られてきたことではないだろう。SDGsや格差社会の解消、そうしたなかでのあるべき企業活動の担い手の育成を想定して語られてきたことが、このコロナ禍のなかで想定以上に先鋭な形で突きつけられている、ということにほかならない。 では、こうしたことが不断に問われるこれからの社会において、最も求められる能力とはどんな能力だろうか。例えば多くのまとめ/教育ジャーナリスト 友野伸一郎日本では「主体性」「主体的」という言葉がよく使われる。どうやら、日本人は「主体性」がとても好きなようである。「主体性をもて」とは、よく言われる叱咤であるが、そう叱咤されたから主体的になれるほど、事は簡単ではない。主体性とは一体何か。どのように育成すべきものか。それへの唯一の正解などは存在しないように思える。しかし他方で、コロナ禍の現在、未経験の事態に直面する現在こそ、教員の側にも学習者の側にも、この「主体性」が問われているのではないだろうか。本号では、主体性とは何かを考え、いかに育成すべきかを探る。企業が学生に求める資質、能力、知識図1出所/一般社団法人日本経済団体連合会「高等教育に関するアンケート結果」 2018年 より 上位12位までを抜粋*回答企業に上位5つの選択肢を選んでもらい、点数による重み付け(1位=5点、2位=4点、3位=3点、4位=2点、5位=1点)を行った

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