キャリアガイダンスVol.436
33/66

332021 FEB. Vol.436先生:進路志望調査、また志望を変更したみたいだけど。理学療法士になりたいって言っていなかった?(ボールペンをカチカチする自分に気づき、深い息を心がける)生徒:この前先輩に話を聞いたら、医療系はやっぱすごく大変そうだなって思って。だったら、最近人気のアニメの勉強した方が楽しそうかなと。先生:自分が本当は何をしたいのか、わからなくて困っている感じ?生徒: …うん。決め手がないっていうか、想像ができない。先生:そうか。どれも現実味がない感じなんだね。それでも、先輩に自分から話を聞きに行けたなんて、将来を考えている証拠。少し安心したよ。 先生: 本日は、どうされましたか?保護者: 先生、うちの子に、A大学に進学することを勧めましたよね。そう聞きました。でも、うちの子はずっとB大学を目指してきたんで。しかも、学部も変えるってどういうことですか。困るんですよね。勝手に。 先生: ご家庭では、B大学を目指す方針だったのですね。保護者: そうなんですよ。それを急に進路を変えるなんて言い出して、びっくりしてしまって。前の担任の先生のときはそんなことなかったのに。 先生: では、詳しい資料をお見せしますので、少しお待ちください(今、資料を探しますと言って、背中を向けて深呼吸。6秒ルールを用いる)。先生A: では、本日はこの議案について、事前資料に関して先生方のご意見を伺いたいと思います。先生B: ちょっとその前にいいですか。そもそもこの議案なんですが、どうなんでしょう。今このタイミングというのは。これ、以前にも似たようなものがあって、まだ早いのではということで保留にしましたよね。先生A: このタイミングで実施することに対して、やはり気がかりがおありなのですね。どのような懸念点があるのか、具体的に教えていただけますか? (具体的な議論へ)その点に関しては、私は今、こんなふうに考えています。<例えば、こんなやりとりへ><例えば、こんなやりとりへ><例えば、こんなやりとりへ>苅間澤先生のワンポイントアドバイス「怒り」の加害者にならない予防的な環境・仕掛けも『アンガーマネジメント入門』安藤俊介著朝日文庫日本アンガーマネジメント協会代表理事の著者が、アンガーマネジメントをわかりやすく解説。 怒りの感情を爆発させると、少し時間が経ってからとても不快な感情だけが残りがちです。自分自身も、相手も、そして周囲にいた人たちも。ハラスメント防止やストレスマネジメントの観点からも、アンガーマネジメントはとても重要な考え方です。 アンガーマネジメントで大切なのは、その場で怒りの感情に飲み込まれて自分が加害者にならないということです。そのために最も効果的なのは、その場から離れ、相手を目の前にしないことです。部屋を離れるのが難しい状況であれば、資料をわざと自分の後ろの机に置いておき、振り向いて資料を探しながら深呼吸をするなど、事前に「仕掛け」をしておくことも大切です。怒りにつながるストレス状態での自分の癖を知っておき、冷静な同僚や先輩などに同席してもらって、合図を出してもらうなどの対処も考えられます。自分が怒りを爆発させないような環境づくりも意識してみてください。『先生のためのアンガーマネージメント』本田恵子著ほんの森出版「対応が難しい児童・生徒に巻き込まれないために」という副題の通り、現場での事例に沿って理解ができる。ワークシート付き。

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る