キャリアガイダンスVol.436
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役割」と考えている  しかし、進路先決定以外の項目については、半数以上の高校が何らかの形で外部機関との連携を前提に進めたいと考えている。特に、学びと仕事のつながりや、さまざまな職業について理解を深めるといった「仕事のこと」については、外部の協力機関に任せたい、あるいは、一緒に実施したいと考えている。その理由を見てみると、「働くことについてリアルなイメージをもたせたいから」「多様な人から学ばせたいから」というポジティブなものがある一方で、「指導教員の知識やスキルの不足」「進学指導が中心で就職指導に手が回らない」といった高校現場の課題感を反映したものもあった。 現在行われている連携について詳細を確認すると、ハローワークとの連携が最も多く、既卒者の継続支援でも連携が見られる。 企業との連携は、専門学科や総合学科他では、連携している高校が8割を超えているが、普通科では6割弱である。地域産業の担い手として人材育成をするため、企業との間でもっと対話が必要だとする学校も見られた。企業との連携については、企業見学やインターンシップの重要性を指摘する教員は多く、リアルな場を経験することによる生徒の意識変革を目指しているようだ。【教師からのコメント】●1次試験に応募する企業と生徒のミスマッチが無いように、校内企業説明会や学校で催す企業見学、ハローワーク主催の企業見学、インターンシップ等を積極的に活用して、生徒が自ら就職に向かう取り組みがさらに必要と感じます。(普通科・就職3割)●地域産業の担い手として一定数の人材は確保すべき。進学割合が高まっていくことが予想されるが、地元企業を中心に繋がりは絶やすべきではない。(普通科・就職率無回答)●1人1社受験のため、就職後のミスマッチによる離職が起きやすい。可能な範囲でインターンシップなどを充実させたい。(普通科・就職2割)●担当によって経験の差があり、それが生徒の進路に直接関わってくる。外部の専門家と協力する必要性を※各項目において未回答による欠損値があるため、合計は100%に満たない。感じる。(普通科・就職2割)●現状の課題は、コロナ禍のため、企業情報が入手しにくい状況が続いていること。(工業高校・就職7割)●校務多忙の為、就職活動は家庭とハローワークの連携で行ってほしい。(普通科・就職5%)●厚労省・文科省で話し合い、就職関係実務について、教員の働き方改革の観点から、専任のキャリアカウンセラーの導入等によって、負担の軽減を計るべく前向きに検討して頂きたい。ハローワークへの移管も含めて。(普通科・就職3割)●専門高校と比較して普通高校の場合、就職に対する意識が生徒も教員も低いように感じる。(本校の場合)今まで以上に地域との連携を深め、生徒の働く意欲を引き出せるようにしていかなければと感じる。(普通科・就職4割)学校が考える、学校で取り組んだほうがよい指導図13出典:高校調査自分の進路を自分で決める生徒自身が納得できる進路先決定自分の興味・関心がわかる社会性を身に着ける働く意欲を高める将来の選択肢を拡げる学んだことがどのように仕事につながるかを知る専門分野の職業について理解を深める幅広い職業について理解を深める71.6%67.5%44.8%39.4%26.2%21.5%15.8%10.7%8.2%61.5%73.2%26.8%17.4%71.3%11.7%68.1%9.5%66.6%6.3%54.9%4.4%49.2%30.0%25.2%主に学校や先生の指導で取り組んだほうがよい外部の協力機関と一緒にやりたい外部の協力機関に任せたい生徒自身のこと生徒自身と仕事のこと仕事のこと2.5%0.9%4.1%外部連携について思うことフリーコメント3どうすれば高校生は「自分で選んで決めた」実感をもって働き始められるのか特別企画412021 FEB. Vol.436

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