答は48・4%であった。 高校側から用意された求人票から企業を選ぶか、そこにはない企業を希望するのか。図14からは、「自由応募者不在」で「新規の求人票を依頼していない」学校、すなわち学校が用意した求人票リストの範囲で企業選択が行われている実績重視の高校が13・4%だった。 専門高校に進学する生徒のなかには、その高校の就職実績を見て入学を希望する生徒もおり、そうした生徒にとっては実績を前提とした高校就職の仕組みはメリットが大きい。これとは別に新規の求人票依頼をしており、自由応募なしの高校は8・9%となっている。生徒の希望を叶えようとする学校の姿が見える。自由応募ありで求人票の依頼がない高校は15・3%、自由応募あり求人票依頼もありの高校は14・0%だった。自由応募なし群の学校のなかには、独自ルールとして自由応募禁止の学校がある。生徒らが自ら決めた進路への挑戦機会はぜひ残しておいてほしいものだ。場合の見通しを選択式で尋ねた。図15からは、「専門学校や大学等への進路変更が増加する」、「学校紹介とは違う方法で就職先を探す生徒が発生する」を選択する教員が多く見られている。 また、コロナショックの悪影響は一部の業種や地域に偏っている。業種別では、宿泊・飲食サービス業の求人数は▲45・9%と大幅な減少となった。こうした産業が多くの雇用を生み出してきた地域では影響は甚大となる。例えば、沖縄県の就職内定率は26・7%、北海道も45・9%にとどまっている。 高校生の就職先は8割以上が自県内であり、居住地域の景況感に左右されやすい。経済が悪化した際には、一部地域の求人が急激に失われる傾向が見られることから、学校外の専門家の助力も得て就職先の開拓や、内定が得られない生徒への手厚いサポートが求められる。 高校生の就職では、学校が用意した求人票の一覧から希望する企業を生徒が選び、応募するのが一般的だ。生徒が希望する企業や職種が明確であるにもかかわらず、学校に求人票がない場合は、①求人票を出してもらうよう企業に依頼するか、②生徒が高卒就職の仕組みに乗らずに自由応募をすることになる。 ①は学校斡旋の機能の一つだが、②は学校斡旋の枠組みから外れた自主的な活動となる。高校調査では「自由応募の生徒がいる」と回答した高校は全体では29・3%、「なし」は22・3%、無回 コロナショックは高校生の就職にも大きな影響をもたらした。急激な景況感の変化から求人数は前年比で▲20・7%と大幅な減少となった(2020年10月末時点、厚生労働省)。求人倍率については2・43倍と高水準を維持し、就職内定率は採用選考開始後2週間の段階で64・2%であり、前年並みとなっている。ただし、3人に1人は就職先が決まっていない状態であり、今年は採用選考開始から卒業までが1カ月短いことから、例年以上に厳しい状況に置かれる懸念がある。 高校調査は2020年9月に実施された。その際に、今年度未内定者が出た自由応募の生徒がいる高校は3割弱禁止をしている高校も求人数は大幅減少も倍率は高水準を維持影響は業種や地域で偏りがある今年度、未内定者が出た場合の見通し図15就職をあきらめる者が発生・増加する無職・フリーターになる者が発生・増加する縁故や自己開拓など、学校紹介とは違う方法で就職先を探す生徒が発生・増加する専門学校や大学等進学へ進路変更する者が発生・増加する総合学科普通科専門学科全体52.0%45.3%29.1%15.1%57.1%39.2%37.1%28.6%52.6%52.5%39.2%44.9%20.6%27.1%15.5%16.6%6040200生徒の就職希望に対する4つの対応⦆図1452.5%44.9%27.1%16.6%自由応募ありなし無回答29.3%22.3%48.4%新規求人票依頼あり希望重視14.0%仕組みの中で希望重視8.9%18.2%依頼なし本人任せ15.3%実績重視13.4%30.3%出典:高校調査出典:高校調査※新規求人票の無回答は集計から除いた422021 FEB. Vol.436
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