キャリアガイダンスVol.436
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492021 FEB. Vol.436未来を切り拓くために必要な資質・能力 ⇒ 熱海高校で育成する3つの能力<学校の教育方針>・自発的に学習し、自主的に判断し、自律的に行動できる人間の育成・民主的な社会の形成者として、敬愛と協力の精神を持ち、誠実に生き、かつ働く健康な人間の育成・故郷を大切にし、将来にわたり地域を支える人間の育成探究力主体性協調性読解力、文章表現力、数的処理能力リーダーシップ、自発的、自主的、積極性、自律性、やり抜く力企画力、創造力、提案力コミュニケーション能力、共感力、チーム志向、敬愛、協力フォロワーシップ、多様性、寛容、受容価値の創造、好奇心、知識欲、解決欲求表現力、思考力、判断力度に静岡県教育委員会、熱海市役所、地域の法人会や企業、市内の小中学校などを構成員としたコンソーシアムを構築し、多様な視点からの意見を取り入れながら、総合的な探究の時間をはじめ、教科の授業、特別活動、部活動などさまざまな場面で地域連携による学びを展開している(図2)。 では、具体的にどのような取組を行っているのだろうか。 まず、1学年の総合的な探究の時間では、探究の基本的なスキルを身につけることを目標に「熱あたこう高ラボ」と名づけたプログラムを実施している。「お土産」「温泉」「歴史」「国際」などに関する課題について、近隣の施設や店舗でのフィールドワークから解決策を提案するという内容だ。 2学年の総合的な探究の時間の「熱海ラボ」では、特定の企業・団体の課題解決に取り組む。19年度は地元の8事業所と連携して実施した。まず、各社から事業の現状や今後についてのプレゼンを聞いたうえで、興味をもった事業所にヒアリングを行い、課題を設定。企業訪問やテストマーケティング、実験などのフィールドワークを数回行い、解決策を探っていく。昨年度の例では、ホテル利用のリピーターを増やすためのポイントカードや季節イベントの実施案が出されたり、地域交流マーケットを盛り上げるための広報策が提案されたりした。 また、各教科の授業に目を向けると、理科ではジオパークと連携し、現地調査を重ねてハザードマップを作成。家庭科では食育団体の協力のもと考案した、特産品を活かしたレシピをカレンダーとして制作し、近隣の学校や食育団体に配布するなど、多様な取組が行われてきた(図2)。 これらの実施にあたっては、教員それぞれが工夫して生徒の前向きな取組姿勢を後押ししている。 「できなかったこと・足りないことを挙げて注意するのではなく、これができるようになるとどんな良いことがあるかを伝え、校訓「剛毅・優雅」。1年次に小中学校段階からの学び直し授業「キャリアアップ」を導入し、個々のペースに合わせた学習を支援。2年次から「福祉コース」「観光ビジネスコース」「進学コース」に分かれる。観光ビジネスコースの商業科目では10年前から地域との協働による商品開発などに取り組んできた。令和元年度「地域との協働による高等学校教育改革推進事業」(地域魅力化型)指定校。1941年設立/普通科生徒数223人(男子127人・女子96人)進路状況(2020年3月卒業生)大学12人・短大4人・専門学校29人・就職44人・その他1名静岡県熱海市下多賀1484-22 0557-68-3291教務主任・商業科主任小見山秀彦先生進路指導主事永井幸子先生3学年主任平沢圭子先生校長石田金也先生総探のほか教科や特活でも地域連携による学びを推進全教員による研修を実施し、生徒の現状と必要な資質・能力などを議論。探究力・主体性・協調性の必要性を共有。図1 熱海高校で育成する3つの資質・能力

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