● 生徒の進路学習状況を 教員もオンラインでチェックリクルートサービスを活用した実践事例【進路】 2019年に女子校から男女共学となり、校名も新しくなった広島修道大学ひろしま協創高校。国公立大学や難関私大を目指す「特別進学コース」と、広島修道大学(修大)とその他私大などを目指す「進学コース」があり、例年約8割が4大・短大に進学している。「当校では、文理選択だけでなく修大への進学選択も1年次に行うため、まずは幅広く進路を考えることを指導しています。ところが、男女共学になった19年度からは、教員もより幅広い進路に対応する必要性が出てきました。医学部医学科や工学部など、これまでにない進路希望が増えたからです。そうした折に紹介されたのが、『進学事典デジタル版』でした。情報検索と比較検討が簡単にできるので、これは生徒も教員も使いやすいと思いました」と、進路指導部長の落合圭一先生。「2年次の進路学習は、コロナ禍の緊急事態宣言で一斉休校になり、5月末のコース別ガイダンスがスタートでした。6月初旬にYouTubeを使って『進学事典デジタル版』の活用方法を説明し、適性診断を実施。学校調べをして資料請求をし、『学校詳細比較ワークシート』を書くことを夏休みまでの課題としました。講演やキャンパス見学も中止になるなか、スマートフォンを使い、自宅で進路学習ができるデジタル版の存在はありがたかったですね。生徒たちが自分で調べ、考え、記入したワークシートをもとに、夏休みの3者面談ができたのは、大きな収穫です」 そう話すのは2学年主任の折田大輔先生。また、デジタル版にしたことでスタディサプリのfor TEACHERS機能を使って生徒の進路学習状況が確認でき、教員間の情報交換もスムーズになったという。「デジタル版のメリットは、調べやすさと検索結果がすぐにわかるスピード。しかし、便利だからと頼り過ぎ、調べただけでわかった気になるのは禁物です。本来なら、自分の足や肌で情報をつかんでほしいのですが、今年度はそれができなかった。そこで、学部・学科・職業など、さまざまな角度から学校調べをして視野を広げるようにLHRでアドバイスをし、志望理由書が浅い生徒には、アドミッションポリシーや建学の精神まで読み込むように個別指導を徹底してきました。デジタル+コミュニケーションが、これからの進路学習の形ですね」と折田先生。 同校では、19年度からタブレットを導入して、スタディサプリとスタディサプリEnglishを授業で活用。今年度は進路学習のために生徒自宅のWi-Fi環境支援も行ったという。「コロナだけでなく、災害で休校になることもある。しかし、生徒の学びは止められない。進路学習もオンラインでできれば、安心です。ICTの活用は、今後の教育には欠かせません」と落合先生も話す。女子校から男女共学へ。幅広くなった進路希望にどう応えていくか課題6月から自宅で進路学習。課題のワークシートで、夏休みに3者面談活用創立1941年/普通科(男女)/生徒数689人(男子217人、女子472人)進路状況(2020年3月実績)大学65人、短大10人、専門学校等9人、就職4人取材・文/丸山佳子これまでの「スタディサプリ進路」のラインナップを統合した新たなデジタル教材が『スタディサプリfor SCHOOL(進学事典デジタル版)』。スマートフォンやタブレットで、いつでもどこでも進路学習ができるだけでなく、適性診断結果がすぐにわかり、気になる学校・学部を何度でも調べることができる。「スタディサプリのfor TEACHERS機能を使うと、どの生徒がどの大学に資料請求をしているのか、どの生徒が課題を提出していないのかがすぐにわかるため、学年主任の私と担任で話し合いながらフォローができる。男女共学になって教員も増えたため、情報を一元化し、教員間で共有できるのはありがたいですね」と折田先生。スタディサプリ for SCHOOL(進学事典デジタル版)活用法広島修道大学ひろしま協創中学校・高校(広島・私立)調べやすさと検索スピードで視野を広げる。ICT活用で進路学習も止めない工夫を右・進路指導部長落合圭一先生(理科)左・2学年主任折田大輔先生(数学)● 2020年6月、 「進学事典デジタル版」導入「課題に対しては、女子生徒のほうが丁寧に資料を読み、真面目に取り組んでいますね。5校比較検討した生徒もいます。男子生徒には、「読める字で書きなさい」という指導からスタートですが、デジタル版での進路学習は、検索が面白いようで積極的に取り組んでいます」と落合先生。● 2020年8月、 「学校詳細比較ワークシート」を 3者面談に活用 オンライン進路学習 適性診断 学校・学部調べ【活用キーワード】632021 FEB. Vol.436
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