キャリアガイダンスVol.436_別冊
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ね、キャリアデザインを支援します」 RSSは就活支援イベントなどを開催するほか、担当する就活生に対して、情報提供や面接、自己分析などについてのアドバイスを行う。 CSS、RSS共に自分の経験を上から押し付けることはしない。全員が研修でのトレーニングを通してコーチングの手法を学び、後輩に寄り添う伴走者としての役割を担う。 「『自分の未来を自分の力できり拓く力をつける』というのが本学のキャリア教育の考え方。決めるのは自分ですし、行動するのも自分。ただし、一人ではありません。応援してくれて、一緒に未来をデザインしてくれる先輩がいる。CSS、RSSは学生にとってのロールモデルでもあります。身近にそういう先輩たちがいる環境が、学生が自律的に考え、行動することを後押ししています。だから創価大生は逆境に強い。それも伝統として受け継がれているもののひとつと言えます」 では、コロナ禍のなか、学生たちはどのような困難に直面し、どのように克服していったのだろうか。「感染拡大によって企業の採用活動が中断したことのインパクトは大きかったですね。結果として採用活動が2カ月ほど後ろ倒しになりましたが、渦中にいる段階ではこの先どうなるのかが見えていませんでしたから、就活生の戸惑いは大きなものがありました。また、本学は長期留学をする学生が多いのですが、留学先から帰国せざるを得なくなった、あるいは留学できなくなった学生も多数いました」 キャンパスへの入構もできなくなり、就活生たちは例年にない不安を抱えたまま孤独な状況に追い込まれていた。この困難をキャリアセンターと共にサポートしたのも、先輩や卒業生たちだった。 対面の面接を中断していた企業がオンライン面接を始めたことで、キャリアセンターは迅速に対策をスタート。緊急事態宣言発出後の5月にはオンラインの面接対策イベントを開催。その後も例年対面で開催していたキャリア、就職関連のイベントをオンラインで開催し、コロナで物理的には隔離されていた就活生と先輩、卒業生たちをつなげていった(図3)。 「企業の採用動向に関する情報を提供するのは私たちキャリアセンターの役割。コロナ禍でもむしろ採用が活発化した業界もありますし、航空業界や飲食業界のように採用がストップしてしまった業界もあります。そのような状況を正確に伝え、航空業界を志望していたような学生には、次の目標を決めるための相談にも乗りました。そこで大事にしたのは就活生の感情をケアすること。ただし、厳しい状況であっても、私たちもRSSも就活生が自分で考え、自分で決めることを重視してコミュニケーションしました。そこはコロナ禍でもブレることはありません。就活生もそれに応えてくれました」 留学志望の学生も事情は同様。3年次、4年次に留学を予定していた学生たちは、留学の予定を変更して就活に切り替えるか、卒業を延ばしてでも留学ができるようになるのを待つかといった選択を迫られた。 「留学ができなくなった学生のなかには、自分の目的を見つめ直し、感染の少ない地域での地方創生インターンシップに目標を切り替えた例もあります。この状況下でどのような選択肢があり得るか、本人とキャリアセンター、CSS、RSSが一緒になって考えていきました」 コロナ禍はさまざまな困難を学生にもたらした。しかし、このような状況を受け止め、自分で打開策を考え、前進する力を養成してきたのも創価大学のキャリア教育。一人では厳しくても、先輩たちの励ましがあれば力を発揮できる。その意味では、創価大生の「自分の未来を自分の力できり拓く力」が試された1年だったと言えるかもしれない。創価大学のキャリア教育とCSS、RSSのサポート図2海外の卒業生も参加した「創大就活Spring Camp」図31年次2年次3年次4年次夢を具現化(進路の方向性を仮決定)進路の方向性を本決定(情報収集・就業体験)夢の実現に向けて準備選考試験等を受けて進路決定キャリア科目キャリアデザイン基礎※なりたい自分を考えるインターンシップなどキャリアビジョンⅠ※就職活動に必要な知識を学ぶキャリアビジョンⅡ※卒業後のキャリアデザインなどイベントDesign Your Dreams※卒業生との懇親会などBridge to the Future※1day就業体験など就職決起大会就活フェスタ学内企業説明会など■ CSSがサポートしている授業や主催しているイベント ■ RSSがサポートしている授業や主催しているイベント2020年5月、キャリアセンターは就活生へのオンラインサポートの第一弾として『創大就活Spring Camp オンライン面接対策会』を開催。アメリカ、シンガポール、台湾など海外で働く人たちも含めた卒業生たちが、コロナ禍の就活に挑戦する後輩たちを励まし、オンライン面接対策のアドバイスをするために参加。就活生側は北海道から九州まで地元に帰っていた学生も参加した。6Vol.436 別冊特集

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