ホームルームや授業など、学校現場では多様な話し合いが日々行われている。何らかの答えを導き出す議論や討論ではなく、自由な雰囲気の中で新たな意味づけを創ることを試みる「対話」とはどういうもので、そのような場をどうしたらつくれるのか、6名の先生方にご協力いただきながらワークショップ型の研修を開催した。 ワークショップ(以下WS)のプログラムの企画・実践を担当したのは、(株)MIMIGURI。同社は、コンサルティングやメディア・CULTIBASEの運営を通じて、企業や学校・団体などが組織と人の創造性を賦活する総合知の体系化と提供を専門としている。なかでも、学校など教育機関でのWSを多数手掛ける和泉裕之さんと渡邉貴大さんにファシリテーターを担当してもらった。 対話のテーマは「高校で育むべき主体性とは何か?」。新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」が重視され、また入学者選抜においても主体性が評価されるなど、「主体性」をどう考え、育んでいくかは多くの先生たちの共通の課題になっている。どのような対話が繰り広げられたのか、先生たちが体験!新たな考えを生み出す対話とは?生徒たちが「対話」によって新たな価値を創造できるように育つには、育て手である教員が「対話」の有用性を理解していることが欠かせません。そこで、ワークショップの企画・実践を営む株式会社MIMIGURIの協力の下、「『対話』によって何が生み出されるか?」を全国から集まった先生方に体験していただきました。「対話とは何か?」のレクチャーから、グループセッション、参加者の振り返りまでをレポートします。誌上研修レポート取材・文/長島佳子 撮影/平山 諭(和泉さん、渡邉さん)主体性をテーマに先生たちが「対話」を体験和泉裕之さん(株)MIMIGURI所属。組織・人材開発の企業案件を専門とする部署のマネジャーを担当。ファシリテーターとしても活動する。渡邉貴大さん(株)MIMIGURI所属。組織・人材開発のファシリテーター。学校教育におけるPBL・SELプログラムの開発も手掛ける。ファシリテーター三沢高校(青森・県立)尾﨑恵子先生相洋中・高校(神奈川・私立)斉藤友昭先生飯南高校(三重・県立)多賀秀徳先生愛光中学・高校(愛媛・私立)寺崎仁樹先生熊本北高校(熊本・県立)橋口 嵩先生大阪高校(大阪・私立)辻 晃子先生対話のテーマ高校で育むべき 主体性とは何か?102021 MAY Vol.437
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