キャリアガイダンスVol.437
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設定がある中での取組は、本当の主体性と言えるのか?という「問い」が生まれる設定された「問い」はあくまで人(教員)の設定であり、生徒自身の「問い」ではない。課題が提供されたものか、自ら決めたものなのかは大事では?寺崎提供された「問い」からのスタートでも、思考することに興味をもてれば良いのでは。その繰り返しから将来的に自分で「問い」を設定できるようになればそれが真の主体性。辻筋トレのように、生徒が「問い」づくりを練習することで上達していくというのはわかる。でもスタートとなる教員側からの「問い」づくりが難しい。斉藤対話では言葉にならないような自分の思考や感情を外に出して、みんなと分かち合うことが大切です。まず表現してみて、それから意味をみんなで見つけ合う対話をしていけば良いのです。ファシリテーターの意図斉藤さんのモヤモヤを、言葉にするのは難しくても外に出して表現できますか?モヤモヤをとりあえず表現してみる例えば今自分たちは「主体性は何か」を主体的に考えているが、それはこの場が設定されたから。ある意味、編集部に踊らされているとすると、主体性はどこにあるのか?斉藤次への転換点になりそうなときや、逆に対話が同じところで停滞しそうなときには、ファシリテーターから話題を提供するケースもあります。ファシリテーターの意図主体性を発揮すると言うといかにも自分自身の中から出てくるように思えるが、実際には無意識のうちに誘引する何らかの力学があってこそという説もあります話題提供によって、参加者の内面に変化が人文科学担当の立場では、人間が社会的であることは自明。同じ人間でも別の場面や異なる時代では違う主体性を発揮する。渡邉さんの「誘引」はそういうことかなと。寺崎「誘引」は生徒会の取組でもよく使う「サポート」ともつながり、しっくりくる。モヤモヤが少し晴れた。辻私はモヤモヤが増してしまった…斉藤斉藤先生が『踊る』というパターン化されていない言葉を発してくださったので、それに対する意味づけをこの場で進めたいと思いました。ファシリテーターの意図斉藤さんは自分で踊りたいと思っていますか?全体振り返りへ「踊る」という新しい言葉の発出から、一気に対話が展開まずは踊りを覚えればいいと思う。そのうち自分から踊りたいと思える踊りを見つければ。寺崎我々は日々生徒に「踊ってみな、踊ってみな」とやっているが、踊らない生徒もいる…斉藤だからこそ、踊りたくなる音楽をいろいろ試してみることが大事なのかも。寺崎そうか、踊りたいと思えば踊ってもいいんだ!斉藤踊らされたらいいじゃん、と思う。辻フェーズ自分たち自身の問いかけから、新しいコンセプトが生まれるこの場で生まれた「問い」やモヤモヤを場に出し、対話によって探究していく中で、自分たちで生み出した言葉から新しい意味づけが創り出されたフェーズ【グループセッションから全体に戻り、個人での内省】一旦、全体に戻り、ここまでの対話について個々で内省。「ここまでは、自分の中にあったものを場に出している状態。ここからは、今感じ始めたことを場にポツンポツンと出す。そんなこともトライしたい」と和泉さんから伝えられ、再びグループに戻っての対話を再開。生徒自らが世界を拡げるチャレンジ精神が、主体性では。その前提には、失敗してもいいんだよ、ということの共通認識があってほしい。それが高校段階で育むべき主体性なのかも。辻なんとなくそれぞれしっくりする言葉が見つかった。無理にひとつにする必要ないかな。斉藤対立を乗り越え、新たな価値を創造する「対話」新たな考えを生み出す対話とは?132021 MAY Vol.437

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