周りへの気づかいを非常にされる先生たちだったので、儀礼的な雰囲気から『対話』へと発展させるために、一旦私から「問い」を投げて、場を温めようと思いました。ファシリテーターの意図主体性について思うことは?ご自身が考える主体性とは?ファシリテーターからの問いに、徐々に心を開いて話し出す先生たち高校時代の自分には主体性がなかったので生徒の主体性を育む場をつくりたい。ICT導入のバタバタで大変な経験をしたことがきっかけで自分は主体的になってきた。「自分からやる」ことが主体性。「とりあえず動いてみる」ことが大事。橋口課題を見つけて自分で解決するような行動ができることが主体性だと思うので、社会に出てから必要な力。自分で動けない生徒には、最初の一歩はツンツン押したり試行錯誤しながらやっている。尾﨑昔卒業生から「授業は面白かったけど、何だったっけ?」と言われ、授業が社会につながっていなかったことを反省。今は自分の考えを表現できる授業をしている。二人の話を聞いて、主体性のキーワードは「動く」かな?多賀フェーズファシリテーターからの問いでそれぞれの想いを表出参加者のタイプに合わせてファシリテーターが丁寧に進行しつつ、先生方が過去の経験や想いを語り、相互理解を深めたフェーズ。沈黙が続いたので、多賀先生の問いを考えやすいように、既に出た話題から具体的に聞いてみました。ファシリテーターの意図尾﨑先生が、行動の意味を考えるようになってから、生徒に対してやってみたことは?尾﨑先生の言葉を素材に、揺さぶりをかけるファシリテーター尾﨑安易に合意形成されそうなとき、それを阻んで再度考えてもらうことがあります。例えば『動く』のは人ごとなら言えるけれど、自分のことでも果たしてそうなのか、逆説的に聞いてみました。ファシリテーターの意図逆に、ご自身が「動けない」のはどんなとき?多賀先生からの問いに自分の経験を振り返ることが大きすぎて何から着手していいかわからないとき。ある講演で「行動の意味を考えないと、何回繰り返しても身につかない」と聞いたとき腑に落ちて、動かなければと強く思った。生徒にもさまざまな取組の意味を考えられるようにしているつもり。尾﨑「意味を考える」は大事。活動に魂や軸がないとやっただけになる。それは「自分ごと化」することだと思う。まさに自分にも生徒にも大事なこと。多賀自分ごと化してないと「やった」ではなく「やらされた」になりますよね。行動の意味を感じるには成功体験を積むことが効果的だと思う。部活ではよくあるが、授業では…橋口授業の成功体験から生徒が行動の意味を考えたり、次もがんばろうという体験につながった経験はありますか?多賀先生たちの行動の真意を言葉に出してほしくて、あえて揺さぶりをかけた聞き方をしました。ファシリテーターの意図いろんな働きかけはあると思いますが、例えば皆さん自身は危機感をあおるやり方で火がつきますか?ファシリテーターが場を手放した瞬間に対話のピッチが加速、アイデアが創発された【 対話のテーマ:高校で育成すべき主体性とは何か? 】Bグループの対話グループセッション尾﨑先生多賀先生橋口先生和泉さん……(自身の経験を振り返り思考しつつ、しばらく沈黙)橋口尾﨑生徒が「あ、そうだな」とか「やらなきゃ」と感じる表現の工夫をしている。志望理由や学習に真剣に取り組んでほしくて「今がんばることは進路の選択肢を増やすことになる。レストランに行って、使えるお金が500円と3000円だと選択肢が違うよね」など。142021 MAY Vol.437
元のページ ../index.html#14