キャリアガイダンスVol.437
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<先生方のリフレクションから>研修で得た気づき&これからやってみたい取組生徒の主体性について対話を深めていくなかで、今まで自分は「やらなければ」と思ってもらうことだと思っていましたが、「やりたい!」と思ってもらうことだと、自分自身のマインドセットが変わりました。また、和泉さんが絶妙なタイミングで我々に場を任せたことで、生徒の「自分ごと化」を話し合っていた自分自身が「他人ごと」だったと気づけたことも大きかったです。それも対話中ではなく振り返りで気づいたので、リフレクションの重要性も再認識しました。本当に多くの学びを得られ、WS参加以来自分との対話が続いています。学校では探究の時間に、対話を活用して、生徒自身がやりたい、と思える場づくりを心がけたいです。WS終了後から続く自分との対話探究で対話を取り入れたい主体性について自由に語っていたときに、渡邉さんが対話のアティチュードを忘れかけていた我々に再度、「〝私〟を主語で語りましょう」という投げかけをされたことで、探究的対話が始まったように感じました。そうした軌道修正や問いを投げられることで、過去の体験の共有から、未来の話へと展開していくことが創造的な対話なのだと実感できました。頭の中はかなりのエネルギーを消費していましたが難しいことを共有する楽しさを知ったように感じています。私は入試広報として本校のオープンスクールを担当していますが、企画運営委員会やPR委員会の企画や内容は生徒が会議を行い、運営しています。そのなかで創造的対話につながる「問い」をさらに意識的にしていきたいです。生徒の創造的対話につながる「問い」を意識していきたい「自分ごと化」というキーワードが出つつも、どうしたらそれができるのか考えていたときに、和泉さんから「自身にとっての自分ごと化は?」という問いが出ました。「『誰かのために』という部分があると自己有用感につながる」と橋口先生が答えたときにハッとして私の思考が動き始めました。「貢献する」というワードはよく聞きますが、「誰かのために」という素朴な言葉の方が生徒にはわかりやすくて響くのではないかと思ったからです。問いを投げかけられたり、投げたりを繰り返すなかで、徐々に考えが整理されてスッキリしていく気持ちになり、対話の重要性が身にしみました。「問いを投げる」ことは、教科授業のデザインでも重要なキモになってくると改めて感じています。生徒の腑に落ちる言葉で問いを投げる重要性を改めて感じた当初は参加者同士の主体性に関する概念が違うなと感じ、「高校生に育むべき主体性」にもモヤモヤしていましたが、対話によってお互いの考えがだんだんと近づき、より明確に言語化できることを知りました。斉藤先生の体験談が、自分の体験と重なり、自身をメタ認知できたことも対話の効果です。学校ではLHRで対話をしてみたいですが、クラスで約10グループのファシリテーションをどうしたらいいか、教員の目の届く範囲での対話が可能か悩みどころです。しかし教職員との長期的な目的・視野に関しては対話こそがなすべきことだと感じました。立場の違う互いを理解し合おうとするには対話が必要だと思いますし、自分自身の姿勢も身につまされるものを感じています。教職員での長期的な取組では対話こそがなすべきこと「なぜ自分ごと化できないことがあるのか?」という和泉さんの問いや、終盤で我々に場を任せたことにより、この対話自体で「自分ごと化」を体感させてくれたことが、「主体性」→「自分ごと化」→「自分たちで創りあげること」と、理解の深化につながりました。また、和泉さんのファシリテーションで、対話の環境を整えてからはあえて離れて見守る勇気をもつことの重要性を強く実感しました。対話は昨年度に生徒とやろうとしてコロナ禍で断念していたのですが、「私たちに宿題は必要か?」「私たちに本当に必要な校則とは?」など、生徒の興味があるテーマでぜひ実現させたいです。正解がないテーマについて生徒同士でとことん対話して、思考をぐるぐる回してもらいたいです。手を放し見守る勇気を再認識生徒たちと早く対話したい!主体性について対話を重ねていったことで、「自分ごと」「身近にすること」「チャレンジ精神」と、三人三様の言葉で言語化することができるのだとわかりました。そして、それぞれが納得感の高い自分なりの解を得ることができて、とてもスッキリしました。一方で、同じような気持ちで対話をしてきても、紡がれる解はそれぞれで異なることに驚きました。WSの翌日、さっそく勤務校で次年度の授業カリキュラムについて若手の同僚と創造的対話を意識して、相手に寄り添って気持ちを引き出す対話を、少し時間をかけてしてみました。すると彼自身から、私が考えていた最適解に近い内容が出てくるという驚きの展開で、私たちなりの納得解を創ることができ、「対話の力」の大きさを実感しました。翌日にさっそく、教員間で対話を実行「対話の力」を改めて実感AグループBグループ尾﨑恵子先生 三沢高校(青森・県立)斉藤友昭先生 相洋中・高校(神奈川・私立)多賀秀徳先生 飯南高校(三重・県立)辻 晃子先生 大阪高校(大阪・私立)橋口 嵩先生 熊本北高校(熊本・県立)寺崎仁樹先生 愛光中学・高校(愛媛・私立)対立を乗り越え、新たな価値を創造する「対話」新たな考えを生み出す対話とは?172021 MAY Vol.437

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