キャリアガイダンスVol.437
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左から、進路指導部渡邊優香先生、進路指導部部長(前任)鴨志田昌子先生、進路指導部部長(現任)伊藤直紀先生。2年次には、SDGsをテーマにグループで課題探究に取り組む。写真は発表会の様子。Zoomを使って各教室に配信し、視聴した生徒らが採点を行った。「一人ひとりの進路を大切にする。言葉にすると当たり前のようですが、これを進路指導の根幹に置いています」と進路指導部部長(取材時)の鴨志田先生。「踏み出す人に」という教育目標には、自分がやりたいこと・なりたい自分を見つけ、自分の力を磨き、他者を尊重して互いを認め合いつつ、自ら踏み出せる女性になってほしい、という思いが込められている。「全員に社会の第一線でバリバリ働いて活躍してほしいとは思っていません。一人ひとりが違っていいのだ、ありのままでいいのだというのが本校の教育の大前提です。型にはまらずに自分がやりたいことを見つけてほしい。周囲に左右されずに進みたい道を進んでほしい。自分の個性・特性を活かせる分野で社会貢献をしてほしい。それが私たちの願いであり、進路教育や進路指導の基本方針でもあります」(鴨志田先生) 進路指導部では、生徒が6年間を通して自分の進路について深めていけるよう、学年ごとに探究テーマを設けている。中学1年次は自己理解、2年次は他者理解・他者との協働、社会とのつながり、3年次は進路や将来のキャリア。さらに、高校1年次にはどのような職業・進路や大学・学問分野があるのかをより具体的に探究し、2年次にはそのなかから自分の歩むべき道を見つけ出していく。そして3年次は、自分が定めた目標や夢の実 1946年に「聖心の布教姉妹会」により設立された聖園女学院中学校・高校。カトリック精神に基づく教育を理念とし、生徒が人間としての生き方を学び、一人ひとりが自分の使命を自覚して成長することを目指している。神奈川県藤沢市の高台に位置する校舎は豊かな緑に囲まれ、聖堂やマリア像などが醸し出す趣はカトリック校ならではだ。校訓は「信念・精励・温順」。「踏み出す人に」を教育目標に掲げ、そのために必要な「見つける力・磨く力・認め合う力」の3つの力を養うことを軸に、教科指導をはじめさまざまな活動や取組を展開している。2016年には学校法人南山学園の一員となり、南山大学との提携も進んでいる。 進路指導においても「人には一人ひとりに使命がある」という考えに基づき、生徒が学校生活を通して自分の使命を見出し、社会に巣立っていくための基礎を育てることを主旨としている。ほぼ全員が進学を希望するなか、進路指導部では6年間の一貫教育を通して身につけてほしい力を段階的に提示し、学年を経るごとにステップアップできるようテーマを設定。生徒一人ひとりが自らの手で進路を選択していけるようサポートしている。一方、女子校という特性もあり、保護者が子どもの進路に対して強い希望をもっているケースも。生徒自身の希望との調整や進学先とのミスマッチ防止にも注力している。取材・文/笹原風花6年間を通して自分はどうなりたいのかを深めていく大学進学79人、短大進学4人、専門学校進学3人、その他(受験準備・留学など)7人毎年ほぼ全員が進学を希望。首都圏の私立大を中心に、国公立大にも進学している。指定校推薦枠や南山大学への学内推薦枠も多い。1946年創立/普通科/生徒数243人 ※高校のみの人数452021 MAY Vol.437

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