リクルートサービスを活用した実践事例【進路】 2020年4月から関西学院大学系属校となり、「特進文理コース」「進学コース」に加えて「関西学院大学特進サイエンスコース」を新設した賢明学院中学高校。大学との連携により理系を強化するだけでなく、カリキュラムや課題解決型学習の充実を図るなど、2020年度は同校にとって変革の年だった。 「同時に進路指導も見直しました。生徒のためにアレもコレもと考えていくうち、継ぎ接ぎのような指導になっていたため、リクルートの営業の方に相談して学年ごとに道筋を立て、3年計画でゴールが見えるプランを作成しました。ゴールが見えれば生徒もやる気になり、教員も指導がしやすい。また、スタディサプリ進学事典がデジタル版になったので、進路学習でもICTを活用したいと考えました」と、進路指導部長の富来 豪先生。 「比較的早くからICT環境を整えてきた当校ですが、活用に力を入れたのは2018年度から。デジタル教材を導入しても投げっぱなしではダメ。先生たちが面倒と感じたら活用は進みません。先生たちに便利さや使う目的を理解してもらうことが一番大事なので、今回は導入時に教員に向けて説明会を行いました」と富来先生。説明会では進路指導の新3年計画を発表するとともに、デジタル版のアンケート機能を進路状況調査などに活かしながら、「生徒の心に火をつけ、進路選択のモチベーションを上げていこう」と導入目的を話したという。 「より良い進路選択のためには、高校1年生からの職業観の育成が何より重要です。新3年計画では、1年のGW明けからモチベーションを上げるために進路探究のきっかけづくりをし、成績が伸びる7月から12月にかけて仕事と学問への理解を深めて文理選択へとつなげる。2年生は夏休み前に学部学科研究をし、成績が伸びてくる夏休みから冬休み前までに情報を集めて考えをまとめ、3学期に第一志望決定。3年生は、入試に向けての情報整理を指導の中心に据えました。 コロナ禍の影響でスケジュールが遅れることはありましたが、ICT活用は一気に進みました。生徒たちもタブレットを使い、面白がって進路学習をやっている。特にアンケート機能の使い勝手が良く、生徒の声がつかみやすくなったことが収穫です。アンケートを基に生徒と密に面接をする、頻繁に会議を開いて各学年の進路指導主任と担任とで情報共有をするなどしたことで、全クラス、同じ熱量で進路学習ができたと思います」 生徒たちのモチベーションを高めるために、2021年度はスタディサプリ高校講座の「よのなか科」「小論文入門」なども取り入れ、ICTをさらに活用した進路指導を進めていく予定だという。継ぎ接ぎの進路学習から3年計画で、生徒がゴールを目指せるプランに課題導入時に教員説明会を実施。徹底活用と情報共有で、生徒の心に火をつける活用創立1954年/普通科(男女)/生徒数455人(男子251人、女子204人)進路状況(2021年3月実績)大学146人、短大9人、専門学校等16人取材・文/丸山佳子スタディサプリ活用法賢明学院中学高校(大阪・私立)進路学習の道筋を立て、デジタル版導入でICTを徹底活用した3年計画のプランに● 2021年1年次・進路学習プラン オンライン進路学習 適性診断テスト 職業観育成【活用キーワード】進路指導部長富とみき来 豪先生(社会科)ゴールデンウィーク明けに『適性診断』を実施。自分の知らない自分の可能性に気づいて視野を広げ、進路探究のきっかけをつくる。4月5月6月自己理解将来の進学分野を見据えた文理選択をするために、学部につながる分野の研究をする。11月12月文理選択後、将来、自分が関わりたい分野が学べる学校を調べる。知っている学校を増やし、興味がある学校に資料請求を行う。1月2月3月『適性診断』職業観を育成し、進路選択に向けての情報を集め、視野を広げる。ワークシートを活用し、書くことで考えをまとめていく。7月8月9月10月『未来事典』&ワークシート『仕事・学問BOOK』&ワークシート『分野選びBOOK』&ワークシート※次年度よりデジタル版スタディサプリfor SCHOOL進学事典デジタル版『学校研究』&資料請求職業・学問理解分野研究学校研究612021 MAY Vol.437
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