キャリアガイダンスVol.437
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リクルートサービスを活用した実践事例【学習】創立1909年/普通科(男女)/生徒数268人(男子73人、女子195人)進路状況(村田女子高校2021年3月実績)大学49人、短大7人、専門学校等13人、就職8人、その他4人 創立110余年の村田女子高校と急成長の進学校、広尾学園中学・高校が2018年に教育連携を結び、2021年4月に開校した広尾学園小石川中学校・高校。教育連携後は広尾学園や他校で受験指導をしてきた教員が加わり、村田女子高校の教育改革が行われてきた。 その改革を推進してきた教頭の沖野寛之先生は、「広尾学園小石川で行うのは、主体的な学びです。ICTは主体的な学びに欠かせない。そう考えて導入したのがスタディサプリです」と話す。 スタサプ導入後、沖野先生がまず徹底したのは、生徒たちへの課題配信とそれを確実に実践する習慣づくりだ。「講義動画を課題配信し、授業では課題に関連した応用問題や反転授業・共同学習を行い、内容を習得できているか確認する。学力の三要素を身につけるには、こうした能動的な授業が必要不可欠です。ベースとなる〝知識・技能〞の習得速度は、生徒によって違います。だからこそ、繰り返し学習ができるスタサプがいい。〝思考力・判断力・表現力〞は、反転授業や共同学習を行うことで育っていきます。学ぶことが楽しくなると、生徒たちはスタサプで予習復習をするようになる。つまり、三要素の3つ目〝主体的に学ぶ力〞が備わってくる。ただし、生徒のモチベーションを高めるのは、教師の仕事。スタサプの使い方研修は、半年に一度は行っています」と沖野先生。 主体性が育ってきたら、次は受験に向けた目標設定と、その達成プランを生徒に作成させるという。「受験勉強はどうしても2年かかるので、1年生の終わりには志望校を決めようと生徒に伝え、合格最低点や試験科目、試験パターン、自分の偏差値、どの科目で何点を取れば合格できるのかなどをすべて調べさせています。目標が数値化できたら、どの科目をどんなスケジュールで勉強していくのか、おおまかなプランシートを作成します。生徒たちは、スタサプの到達度テストで自分の苦手な分野や単元が把握できているので、『この単元は、○月までにスタサプで復習をします』とプランを立ててきます。それを一緒に見ながらアドバイスしていくのが、教師の仕事。『計画が遅れているので面接をしてください』『模試結果が良かったのでプランを修正したい』『古典をがんばりたいのでテストを作ってください』など、生徒からの注文も多いです。目標が具体化すれば、自分ごととしてがんばれる。この方法で、模試のクラス平均偏差値が1年間で8〜10ポイント上がりました」 今年度は、このプランシートをデジタル化。生徒の要望に応じてゲーム感覚のテスト配信を増やすなど、さらにICTを駆使した学びに挑戦していくという。教育連携を梃て子こに学校改革。ICTを活用し、主体的に学ぶ力を育てたい課題スタサプで英数国模試のクラス平均偏差値が1年で8〜10ポイントUP活用取材・文/丸山佳子 課題配信  到達度テスト  自学自習  反転授業【活用キーワード】広尾学園小石川中学校・高校(東京・私立)● 生徒たちの活用法1年生の時から課題だけでなく復習にもスタサプを使っています。覚え方のコツを教えてくれるのでわかりやすいし、繰り返し見て確認できるので便利です。3年までに古典文法を固めるのが目標なので、今は1日3~4時間、スタサプで勉強しています。(2年C組・金子咲希さん)●塾に通っていないので、勉強はスタサプを中心に1日5時間と目標を決めて行っています。一番使っているのは化学、物理の予習と数Ⅲの受験勉強。自分のペースで先に進んだり、模試でミスしたところを復習したり、自由に勉強できるところが好きです。(山﨑愛佳さん・2年C組)目標が明確化したら、どの科目、単元を、どんなスケジュールで学んでいくかプランを立てる。スタサプのスタンダードやハイレベルなど、さまざまな講義動画を組み合わせて月間スケジュールを立て、さらに週間スケジュールに落とし込んでいく。「1週間が終わったら、反省ではなく、できたことを書くように言っています。それが、励みになるから」と沖野先生。同校で活用している第一志望校合格達成のためのプランシート。個別試験や共通テストなどの合格最低点を自分で調べて書き込むことで、何点を取れば合格できるのか、目標が明確化する。教頭沖野寛之先生(国語)学校改革で教育方針を一新。ICT活用で主体的に学ぶ力を育て、模試偏差値大幅UPスタディサプリ活用法632021 MAY Vol.437

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