キャリアガイダンスVol.437_別冊
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 これらの実習先との連携を軸に各学部が具体的にどのような教育に取り組んでいるのかを見ていこう。 医療保健学部は同大学では唯一3学科体制を採っている。医療栄養学科はチーム医療の一員として活躍する管理栄養士を、医療情報学科は医療情報システムの開発者やカルテデータの管理・運用を行う診療情報管理士を育成する学科。 「4年次には、3学科合同の『協働実践演習』に取り組みます。学生時代にチーム医療に必要な考え方やコミュニケーション力を養う有益な機会となっています」 東が丘看護学部が重点を置くのは実践力の強化。 「実習は1年次前期セメスターからスタートします。間を空けずに講義→学内演習→臨床実習のサイクルを4年間繰り返す往還型学修によって、幅広い知識や実践的看護技術を着実に身につけることができます」(図3) 立川看護学部も実践力の強化を重視している点は東が丘と同様だが、全国でも数少ない災害看護学コースが設けられているのが大きな特色だ。DMAT(災害派遣医療チーム)を擁する国立病院機構災害医療センターとの連携により、災害訓練などを通して初期治療やトリアージ、患者受け入れ病院の初期対応などを現場のプロから学ぶことができる。 千葉看護学部は地域医療機能推進機構(JCHO)や船橋市との連携による地域に根ざした実践教育を通して、地域完結型医療と地域包括ケアを学べることが大きな特色。 同様に和歌山看護学部も、総合病院における最先端医療から訪問看護までを幅広く教育し、和歌山県の地域医療を支える看護師を育成する。 これらの学部に加えて、大学院では、現役看護師のスキルアップ、キャリアアップにつながる高度な教育を提供。例えば、看護学研究科には、初期医療にも対応できる診療看護師(ナース・プラクティショナー:NP)を育成する「高度実践看護コース」が設けられており、医療の現場からも注目されているという。 「これからの看護師のキャリアはますます多様化していきます。先進医療や災害医療、NPなど、専門性の高い領域で活躍する道も広がっていますし、地域に根ざした訪問看護も人材が不足し、ニーズが高まっています。自分が目指す看護師像に合わせて最適な学びの場を選択できることが本学の強みですね」 では、同大学の学生は、4年間を通してどのように学び、どのように成長していくのだろうか。卒業生2人の事例を次ページで紹介しよう。東京医療保健大学のビジョンイメージ図2東が丘看護学部の4年間の実習スケジュール(4年間25単位)図3多様性を受け止める開かれた大学東京医療保健大学寛容温かい人間性いのち思いやり絆愛5 地域と連携・共生し、社会に貢献6 多文化共存の開かれた大学教職員の研鑽1 先進的な教育・研究・社会貢献を通じ一歩先の医療保健を創造2 専門性の高い心温かい医療人の育成3 すべての医療人の生涯学習支援4 世界をリードする先進的研究の推進明るい未来の社会を実現一歩先の医療を創造実習は1年次前期セメスターから始まり、段階的に実践力を高めていく前期セメスター:ブルー後期セメスター:ピンク・看護過程展開実習・老年看護学実習Ⅰ基礎看護に加え、専門領域の実習もスタート2年次・成人看護学実習Ⅰ(急性期)・成人看護学実習Ⅱ(慢性期)・成人看護学実習Ⅲ(終末期)・老年看護学実習Ⅱ・小児看護学実習・母性看護学実習・精神看護学実習ライフステージ5領域での看護を実践3年次・在宅看護学実習・看護学統合実習これまでの学習を統合し、実務に即した看護を実践4年次・看護学体験実習・日常生活援助展開実習日常生活の援助を学び、個別性に応じた看護を実践1年次6Vol.437 別冊特集

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