高校2年のとき、進路を考えるに当たって、もともと人と接するのが好きだったこと、さらに看護師である母親のアドバイスもあって看護師になろうと決めました。最近は男性看護師も増えていますし、抵抗感は特にありませんでした。むしろ男性だからこそ貢献できることもあるはずだと考えていました。 進学に際しては、現場で最新の医療を学びたいという思いがあったので、難しい手術なども数多く手掛けているNTT東日本関東病院と提携する東京医療保健大学を選びました。 自分の力になったと感じる授業のひとつが3年次に履修した「チーム活動論」です。組織として動くときに大切なことは何か、どうすればチームで成果を出せるかといったことを、一メンバーとしての視点、リーダーとしての視点の両方か 看護師を目指すようになったのは中学2年のときです。入院した友人が看護師さんとすごく打ち解けていたのを見て、不安を抱えている患者さん一人ひとりに寄り添い、信頼関係を築くその仕事に魅力を感じました。その後、3回看護体ら学べたことは、これから現場で働くうえで確実に活きてくると思います。 また、4年次の協働実践演習では、医療栄養学科、医療情報学科の学生とのグループワークを通して他職種と連携したチーム医療についても実践的に学ぶことができました。 もうひとつ、3年次に参加した海外研修も印象に残っています。10日間、オーストラリアにホームステイして英語研修や病院・施設の見学などを行ったのですが、将来は国際的な領域の看護にも興味をもっているので、その土台となる経験となったと思います。 実習を通して学んだのは、疾患を見るのではなく、広い視野で患者さん自身を見ることの大切さです。だから、できるだけ患者さんと関わる時間を多く取るように意識しました。患者さんと医師をつなぐことも看護師の重要な役割であることも実習を通して認識しました。 北海道出身なのでゆくゆくは地域医療に取り組むことも考えていますし、外国人の患者さんに対応する仕事にも興味をもっていますが、今はまず救急医療の現場で幅広い知識と実践力を養いたいと考えています。験に参加し、憧れが確信になりました。 東京医療保健大学に入学して1カ月後から実習が始まり、現場を経験したことで学びへのスイッチが入りました。目指す看護師像が明確になり、主体的に学べるようになったと思います。この大学では、ひとつのテーマを、講義のあと、間を空けずに演習、実習で手を動かし、現場に出て学べるので理解を深めやすかったことも私にとってはプラスでした。 印象に残っている授業は3年次に半年間かけて履修した各論実習ですね。急性期・慢性期・終末期・老年・母性・小児・精神の各領域について、実際に患者さんと接しながら多くの気づきを得ることができました。なかでも終末期の実習はリアルに生と死に向き合った経験として今も忘れることはできません。 また、4年制大学ならではの一般教養科目では「論理学」が興味深かったですね。出生前診断など、医療の世界でも見解が分かれるテーマなどをディスカッションするのですが、人によって多様な考え方があることが理解できましたし、自分の意見を人に伝えるためにはどのように論点整理をすればいいかといったことが学べました。 患者さんの人生や生命に関わる仕事ですから、答えが出ない問題にもきちんと向き合い、考え続けることはすごく大切だと感じています。“私はこう考える”が自分にないと、患者さんに何かを尋ねられても真摯に答えられないですから。 今後のキャリアは幅広く考えていますが、今は、患者さんに寄り添い、深く関わることができる終末期医療に関心をもっています。また、自分が学んだこと、影響を受けたことをチーム全体に広げていくために、看護師長などへのキャリアアップにも魅力を感じています。医療保健学部看護学科卒業土門航太郎さん北海道小樽桜陽高校出身。2021年3月に医療保健学部看護学科を卒業し、同年4月、東邦大学医療センターに就職。東が丘・立川看護学部看護学科臨床看護学コース卒業瀧 結ゆうゆ友さん東京都・東京高校出身。2021年3月に東が丘・立川看護学部(現在は改組)を卒業し、同年4月、国立病院機構東京医療センターに就職。実習を通して疾患ではなく患者さん自身を見る大切さを学んだ現場の課題に向き合い、自分で考える看護師になりたい卒業生に聞いた!7Vol.437 別冊特集
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